本記事では、「高配当株の失敗事例」をテーマに注意点と具体的対策を解説します。
若者を中心に「FIRE」(経済的自立と早期リタイア)を目指す方が増加。
このため、安定的な配当金を得るために「高配当株投資始めよう」と考えている方も少なくありません。
但し、高配当株投資には魅力があるも、注意するべきポイントがあるため事前にチェックしておきましょう。
①高配当株投資には不労所得という魅力がある
②但し、配当利回りだけを見た投資はNG
③無配、減配銘柄は損切りを検討する
④米国ETF、増配銘柄の購入を検討
⑤購入前にスクリーニングアプリを活用しよう
高配当株投資の魅力とは?
まずは、高配当株投資の魅力についてチェックしていきましょう。
配当金 | 事例 |
---|---|
月1万円 | 電気代がタダに |
月5万円 | 食費がタダに |
月10万円 | 家賃がタダに |
月25万円 | 田舎ならFIREという選択肢も |
月数万円でもあなたの生活を楽にしてくれる力があります。
このため、高配当株は「お金の生る木」とも言えます。
高配当株の定義は人それぞれですが、一般的に「3~5%/年」の配当金を得ることができる企業へ投資をします。
注意点として「なぜ高配当株になっているのか?」という点を理解する必要があります。
目先の配当利回りを追い求めるのではなく、注意点もしっかりと認識した上で投資企業を選定することが大切です。
そこで本記事では、高配当株投資における失敗事例と対策について詳しく解説します。
高配当株投資における失敗事例6選

高配当株投資における失敗事例は以下の通りです。
順番に解説します。
失敗①配当利回りだけを求めて失敗

高い配当利回りという理由だけで銘柄を選んで失敗するパターン
「日本たばこ産業」は配当利回り6%超えと高配当株で人気を得ています。
ここで考えるべきは、高い配当利回りになっている理由は「株価が下がっているから利回りが高いのでは?」と考える必要があります。
配当利回りの計算式は以下の通り

大切なポイントは、1株当たりの年間配当額が同額でも、「株価が下がれば配当利回りは上がる」という点です。
株価が下がっているという事は
- 企業の不祥事
- 業績の悪化
- 将来の業績向上が期待できない
などが考えられます。
つまり、「長期的に安定した配当金を出す事は難しいのでは?」と考える事が大切です。
仮に「減配」となれば配当利回り下落⇒株価下落に直結。
高い配当利回りだけを求めた投資はおすすめできません。
失敗②特別配当に飛びついて失敗

一時的に高い配当利回りに飛びついて失敗するパターン
配当金の中には、「特別配当」、「記念配当」として一時的に株主に還元する企業があります。
- 特別配当:企業の業績が極めて好調であった決算期に、株主へ「特別」という名目で一時的にプラスされる配当
- 記念配当:会社の創立や創業などを記念し増配される配当
特別配当は株主にとって魅力があるも、一時的な配当利回りのため注意が必要です。
配当利回りランキングを確認し、上位という理由だけで株を購入するのは絶対に辞めましょう。
失敗③減配、無配になった株を売れずに失敗

「減配」、「無配」になった株を塩漬けして失敗するパターン
これは、多くの投資家がやってしまうパターンです。(筆者も含め・・・)
損失確定は、想像以上に辛い行為。
但し、配当金生活を目指すのであれば、「減配」(特に無配)になった株は損切りを検討するべきです。
「無配」なら1円もあなたにお金を運ぶ事がありません。
一時的な損失は辛いものですが、その資金を活用して今後増配が期待できる企業への投資を行いましょう。
失敗④米国株の配当金狙いで失敗

米国高配当株を購入したが、想定以上に税金が取られて失敗するパターン
米国株は長期に渡り連続増配を続けている企業が多数あるため、投資家から高い人気を得ています。
連続増配60年を超える米国企業(一例)
- ドーバー:連続増配66年
- P&G:連続増配65年
- スリーエム:連続増配63年
日本NO.1は「花王」の31年連続増配のため、米国企業は株主還元に積極的と言えます。
このため、米国高配当株は人気があるも「二重課税」には注意が必要です。
米国課税 | 日本課税 | |
(米国)配当金・分配金 | 10% | 20.315% |
(日本)配当金・分配金 | 0% | 20.315% |
上記の通り、米国高配当株の配当金は「約30%」の税金が掛かります。
米国課税分の10%は確定申告で還付を受ける事も可能ですが、所得税からの還付のため所得が少ない場合は全額は取り返すことができません。
米国高配当株への投資は、「二重課税」に注意しましょう。
失敗⑤業績が不安定な株に投資して失敗

業績が不安定な企業へ投資をして無配になって失敗するパターン
「景気敏感株」や「景気循環株」と言われるセクターには注意しましょう。
具体的には、
- 鉄鋼
- 化学
- 紙パルプ
などの素材産業や工作機械。
景気好調な時は、製品が売れるため多くの素材や設備、工場が必要になります。
但し、不景気の時は受注が下がり業績に大きく影響を与えます。
逆に「ディフェンシブ銘柄」は、
- 生活必需品
- 公益事業
- ヘルスケア
- エネルギー
と言われています。
生活必需品であれば、景気動向に影響なく消費者は購入する必要があります。
配当金生活を目指すのであれば、景気に大きく左右されない「ディフェンシブ銘柄」などセクター分散にも意識しましょう。
失敗⑥予想配当利回りから銘柄を選んで失敗

予想配当利回りから銘柄を購入したが減配して失敗するパターン
結論、予想配当利回りはあくまで「予想」です。
WEB検索で「予想配当利回り ランキング」など検索すると会社予測の一覧がチェックできます。
10%を超えるような企業も複数ヒットしますが注意が必要です。
上記でも説明した通り、「特別配当」や「景気敏感株」である可能性があるため予測を鵜呑みにするのは辞めましょう。
以上、6つの失敗事例をまとめると以下の通り
- 配当利回りだけを求めて失敗
- 特別配当に飛びついて失敗
- 減配、無配になった株を売れずに失敗
- 米国株の配当金狙いで失敗
- 業績が不安定な株に投資して失敗
- 予想配当利回りから銘柄を選んで失敗
続いて対策を解説していきます。
高配当株投資における成功に向けての対策5選

具体的な対策は以下の通りです。
順番に解説します。
対策①米国高配当ETFの購入
高配当株投資を検討している方は、米国高配当ETFの購入も検討してみましょう。
具体的な銘柄としては
- VYM
- HDV
- SPYD
高配当ETFの御三家と言われています。
SPYDを例にとると、「S&P500構成銘柄から配当利回りが高い上位80銘柄にほぼ均等に投資」するETFです。
(参考)米国ETF「SPYD」で夢の配当金生活は可能か?結論7つの危険性あり
個別株と異なり、投資先が広く分散されている点が強みと言えます。
また、減配や無配になれば、自動で銘柄組み換えを実施。
自動で組み換えを行う事から「減配、無配になった株を売れずに失敗」という心配がありません。
業績不安定セクターへの投資を回避する方法としては、「複数のETFを分散して購入」をおすすめします。
ETFの詳細は以下で詳しく解説しているのでよければどうぞ。

対策②配当金を増配している企業の株を買う

株価が上がるという事は、
- 業績が好調
- 今後の企業拡大が期待できる
など今後の「増配」が期待できます。
つまり、配当利回りから銘柄を選ぶのではなく、
- 長期に渡り増配を続けている企業
- 大口の株主から増額を提案されている企業
などから投資銘柄を選ぶ事が大切です。
対策③長期的な業績推移を確認する
具体的には、2009年リーマンショック前後の業績もチェックしてみましょう。
また、2020年コロナショック時のチャートの確認もおすすめです。
いわゆる、「○○ショック」の時は世界全体で不景気に突入するため、「銘柄としてディフェンシブなのか?」の判断に最適と言えます。
企業業績のチェックは情報サイトの活用がおすすめです。

対策④株の購入前にスクリーニングを実施する
ファンダメンタル分析に活用される代表的指標は以下の通り
PER(株価収益率) | 15倍以下なら割安 |
---|---|
PBR(株価純資産倍率) | 1倍以下なら割安 |
ROE(株主資本利益率) | 10%以上が目安 |
配当利回りや株価だけでなく、企業の本質的価値を確認する事が大切です。
株スクリーニングアプリを活用して手軽に分析を行ってみましょう。

対策⑤単元未満株を活用した分散投資を行う
高配当株へ分散投資を行う手段として、単元未満株の活用もおすすめです。
自身の資産額に合わせてセクター分散をしながら投資を行ってみましょう。
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---|---|
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もっと詳しく知りたい方は口座開設~取引方法まで以下記事で解説しています。

「株管理アプリ」を活用して高配当株を管理しよう
実際に高配当株投資を始めたら、株管理アプリを活用しましょう。
株管理アプリは「カビュウ」の活用がおすすめです。
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高配当株投資における失敗事例まとめ
本記事では「高配当株投資の失敗事例」をテーマに注意点と対策をまとめました。
記事のポイントは以下の通り
【高配当株失敗事例6選】
高配当株投資には魅力があるも「高配当である理由」を確認する必要があります。
目先の配当利回りだけをチェックするのではなく、スクリーニングを行い企業分析を行う事が大切です。
投資企業の選定が難しいと感じたら、「米国ETF」、「単元未満株の活用」も検討してみましょう。
以上、高配当株投資の失敗事例まとめでした。
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