本記事では「高配当株投資」をテーマに注意するべきポイントと具体的対策を解説します。
高配当株投資には不労所得としての魅力があります。
但し、一部投資家の中には「効率の悪い投資」、「おすすめしない」など酷評する意見があるのも事実です。
このため、高配当株投資におけるメリットだけでなく、デメリットの部分も理解しておきましょう。
①高配当株投資は不労所得しての魅力がある
②投資企業は成熟企業が多い
③業績次第で無配、減配になる点は注意
④高配当株は買い時を選ぶ投資法
⑤状況に応じて米国高配当ETFの活用も検討しよう
「高配当株投資」の魅力とは?
高配当株投資における魅力は「不労所得」です。
株式投資の利益には大きく分けて
- キャピタルゲイン:株を売却することで得られる利益
- インカムゲイン:資産を保有していることで得られる利益
以上、2つに分けられます。
高配当株は「インカムゲイン」であり、定期的にお金が入るというのは大きなメリットです。
配当金には魅力があり
配当金 | 事例 |
---|---|
月1万円 | 電気代がタダに |
月5万円 | 食費がタダに |
月10万円 | 家賃がタダに |
月25万円 | 田舎ならFIREという選択肢も |
など、月1万円の配当金としても、「電気代がタダになる」と考えると気持ちの余裕は金額以上に大きなものです。
こんな魅力のある高配当株投資ですが、注意点があるため以下でデメリットをチェックしておきましょう。
「高配当株投資はおすすめしない」と言われる5つのデメリット

「高配当株投資はおすすめしない」と言われる理由は以下の通りです。
順番に解説します。
理由①成熟企業のため株価上昇は緩やか
このため、既に高いシェアや利益率が確保されており、今後更なる企業成長が難しいという現実があります。
国内で圧倒的なシェアを誇るも嫌煙の流れから右肩下がりのチャートを形成。
以下、日本たばこ産業10年チャート

ベンチャーなど時価総額が小さな企業の場合、短期間で数倍~数十倍など大きなキャピタルゲインを得られることも珍しくありません。
一方、高配当株は「成熟企業」であり、大きな株価上昇が難しいという点は注意しましょう。
理由②投資初期はキャピタルゲインを目指すべき

高配当株投資の基準は様々ですが、一般的に「3~5%」の配当金を目指します。
仮に、100万円を配当利回り4%の企業に投資をした場合、受け取れる配当金は「年4万円」(税金は考慮せず)
4万円の配当金は嬉しい反面、「生活費にする」と考えた場合物足りない金額です。
つまり、資産形成初期ではインカムゲインではなく、「積極的に売却益を狙うべき」というのも高配当株投資が否定される理由の1つです。
理由③業績により減配、無配の可能性がある

企業の業績次第で配当金は「減配」、最悪「無配」になる可能性があります。
東京電力を例にとると、2011年東日本大震災の原発事故により、株価は「10分の1」、配当金は「無配」となりました。
当時インフラ事業として、安定的な株価と配当金を維持しており「退職金のすべてを東京電力に投資をしていた」という方も存在。
将来のために、高配当株に投資をしても「無配になり1円も貰えない」というリスクがある点は注意が必要です。
理由④配当金には税金が掛かる

配当金の税金には注意しましょう。
米国課税 | 日本課税 | |
(米国)配当金・分配金 | 10% | 20.315% |
(日本)配当金・分配金 | 0% | 20.315% |
特に、米国高配当株は「二重課税」のために約30%の税金が掛かります。
米国課税分の10%は確定申告で還付を受ける事も可能ですが、所得税からの還付のため所得が少ない場合は、全額は取り返すことはできません。
このため、資産形成を行っている初期段階では配当金を受け取らず、インデックス投資で複利の恩恵を受ける方が効率的と言えます。
理由⑤投資セクターが偏る可能性がある

配当利回りのみを投資判断とした場合、セクターが偏るリスクがあります。
高配当株として有名なセクターは
- エネルギー事業
- たばこ事業
- 通信事業
などが有名です。
このため、特定セクターへの投資比率が上がり暴落の影響を大きく受けてしまうリスクがあります。
但し、このデメリットは
- 生活必需品
- 公益事業
- ヘルスケア
など「ディフェンシブ銘柄」を組み込むことで解決可能です。
ここまで、「高配当株はおすすめしない理由」を解説しましたが、筆者も高配当株を購入しています。
そこで、高配当株投資に関する具体的対策とポイントを解説します。
「高配当株投資はおすすめしない」という方に伝えたい5つの対策

高配当株投資における5つの対策は以下の通りです。
順番に解説します。
①高配当株のメリットを理解する
高配当株投資のメリットは「取り崩しが不要」、「不労所得」という点が挙げられます。
インデックス投資は素晴らしい投資法ですが
- 投資の楽しみがない
- 何もやる事がない
- 資産取り崩しはストレス
という悩み持つ方も少なくありません。
インデックス投資だけを愚直に続けられる人ばかりではなく、「株主優待」、「配当金」など投資に楽しみを見つけたいと考える方もいるでしょう。
その点、高配当株投資であれば定期的に配当金を得られるため、達成感を感じやすい点はメリットです。
投資スタイルや性格に左右される点であるため、「自身にはどっちが向いているのか?」を検討してみましょう。

②高配当株の買い時を理解する
つまり、配当利回りだけを見て「いつでも投資をして良い」というものではありません。
具体的な高配当株の買い時は
- 株価が大きく暴落した時
- ○○ショックなど市場全体が大暴落の時
- 配当利回りが〇%以上になった時
- 権利落ちタイミング
などがおすすめです。
特にコロナショックなど市場全体が下落している時に「お宝銘柄」が出現します。
このため、通常時はインデックス投資を行い、株価下落時に高配当株を購入するなど検討してみましょう。
詳しくは以下で高配当株の買い時を解説しています。

③米国高配当ETFを購入する
配当金の「減配」、「無配」のリスクを抑えたい方は米国高配当ETFの購入もおすすめです。
代表的な米国高配当ETFは
- VYM
- HDV
- SPYD
などが高配当ETFの御三家と言われています。
シンプルに解説すると、「財務優良企業+広い分散性」という特徴を持っています。
仮に、特定の銘柄が「無配」になっても自動で組み換えが行われるため、安定した配当金を受け取ることが可能です。
具体的には以下記事で米国高配当ETFについて解説しています。

④連続増配銘柄を購入する
配当利回りの計算式は以下の通り

つまり1株当たりの年間配当額が同額でも、「株価が下がれば配当利回りは上がる」という点は注意しましょう。
株価が下がっているという事は
- 企業の不祥事
- 業績の悪化
- 将来の業績向上が期待できない
などが考えられます。
このため、配当利回りの高さだけなく「連続増配が続いている企業」への投資も検討してみましょう。
特に米国株は株主還元を積極的に行っており
- スリーエム:連続増配59年
- コカ・コーラ:連続増配57年
- エイ・ビー・ビー:連続増配45年
など、長期に渡り増配を続けている企業も存在します。
日本株の連続増配企業を見つける際は「IRBANK」の活用がおすすめです。(無料ツール)

⑤高配当株のスクリーニングを実施する
高配当株を購入する前に、スクリーニングを行い長期的な業績確認を行いましょう。
具体的なスクリーニングとは、ファンダメンタル分析に活用される
PER(株価収益率) | 15倍以下なら割安 |
---|---|
PBR(株価純資産倍率) | 1倍以下なら割安 |
ROE(株主資本利益率) | 10%以上が目安 |
などの代表的指標もちろん、長期チャートの推移、競合企業との差別化ポイントなど確認が必要です。
以下記事で無料で使えるスクリーニングツールを紹介しています。

「株管理アプリ」を活用してパフォーマンスをチェックしよう
実際に高配当株投資を始めたら、株管理アプリを活用しましょう。
日本株だけでなく米国株、投資信託にも対応。
カビュウは、保有株をヒートマップで表示する機能があり直感的にパフォーマンスをチェックする事ができます。
タイルの大きさは「運用総額」、色は「前日比の騰落率」を表示。

保有資産のチェックにも最適。

また、過去の取引を分析する機能も搭載されています。
「いつ買って、いつ売ったか?」の取引履歴から、エントリータイミングとして問題なかったかを確認する事が可能です。

無料版も用意されているため、カビュウを活用して日々のパフォーマンスをチェックしてみましょう。
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カビュウについては以下記事で詳しく解説しています。

「高配当株投資はおすすめしない」理由【まとめ】
本記事では、「高配当株投資」をテーマに注意点と具体的対策を解説しました。
高配当株をおすすめしない理由
具体的対策は以下の通り
高配当株投資にはメリットだけでなくデメリットも存在します。
特に、投資初期段階では複利の恩恵を受けられるインデックス投資がベストな選択。
素直に20年以上インデックス投資のみでOKな方であれば、高配当株投資を不要とも言えるでしょう。
但し、インデックス投資のデメリットとして
- 投資の楽しみがない
- 何もやる事がない
- 資産取り崩しはストレス
と感じる方も少なくありません。
このため、投資信託と合わせて高配当株投資を始めてみるのがおすすめです。
但し、高配当株の買い時には注意しましょう。
以上、高配当株デメリットと対策まとめでした。
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