本記事では「高配当株投資vs投資信託(インデックス投資)」をテーマに特徴や違いを解説します。
積立NISAを中心に投資信託を始める投資家が増加。
投資に慣れてくると、次のステップとして「高配当株投資」に興味を持つ方も少なくありません。
そこで、「高配当株投資と投資信託(インデックス投資)はどっちがおすすめなのか?」を深堀りしていきます。
(結論)高配当株投資と投資信託どっちがおすすめか?
高配当株投資と投資信託では投資家がお金を求めるタイミングに違いあります。
このため、「いつお金が必要なのか?」をテーマにどちらの投資を始めるかを検討してみましょう。
結論、以下の通りです。
- 投資信託:未来の自分のための資産形成
- 高配当株:未来と現在のための資産形成
投資信託の場合、配当金は自動で再投資が行われるため取り崩しを行わない限り現金を受け取ることがありません。
一方、高配当株投資の場合「配当金」という形でお金を受け取ることができます。
配当金の「再投資」はもちろん「自身へのプレゼント」、「家族との食事」など活用は様々。
このため、自身が投資に求めるお金を「いつ受け取りたいのか?」がどちらか選択する1つのポイントです。
但し、ポイントはこれだけでは無いため以下で特徴を深堀りしていきます。
「投資信託(インデックス投資)」4つのメリット

メリット①長期的にみると安定した資産形成が可能
インデックス投資は特定の株価指数へ資金を投下。
このため、誰もが「相場の平均点」を出す事ができるのは強みです。
パフォーマンスとしても優秀であり、20年以上積立投資を行った場合「年5%前後」のリターンが期待できます。
また、個別株のような業績不振による「倒産」の影響もなく安定した資産形成が可能です。
メリット②複利の効果を生かせる
投資信託は分配金を受け取ることなく、自動再投資が行われるため複利で運用をすることができます。
分配金を受け取った場合、「約20%」の税金が必要です。
このため、分配金を受け取らず再投資を続ける方がパフォーマンスは高まります。
投資に効率を求めるのであれば、投資信託(インデックス投資)がベストな選択肢です。
つみたてNISA早わかりガイドブックより引用
メリット③積立NISAを活用すると非課税で運用可能
積立NISAを活用することで、「年40万円まで」非課税で運用することができます。
仮に「年40万×20年」を年5%で運用した場合の期待リターン
- 投資元本:800万円
- 期待リターン:1,370万円

本来必要な100万円以上の税金が非課税で運用できるのはメリットです。
メリット④100円から始めることができる
投資信託は100円から積立を始めることができます。
「お小遣い」、「節約したお金」など無理なく投資を始める事ができるのはメリットです。
このため、余裕資金で非課税制度を活用する方が増加しています。
投資信託(インデックス投資)のメリットをまとめると以下の通り
- 長期的にみると安定した資産形成が可能
- 複利の効果を生かせる
- 積立NISAを活用すると非課税で運用可能
- 100円から始めることができる
結論、「投資銘柄やタイミングを選ばずに積立投資をしたい」という方は投資信託の活用がおすすめです。
「高配当株投資」4つのメリット

メリット①配当金を受け取ることができる
高配当株投資は配当金を受け取る事ができるのが強みです。
配当金で実現する事例は以下の通り
配当金 | 事例 |
---|---|
月1万円 | 電気代がタダに |
月5万円 | 食費がタダに |
月10万円 | 家賃がタダに |
月25万円 | 田舎ならFIREという選択肢も |
月1万円の配当金を得るだけでも、「毎月の電気代がタダに」と考えると金額以上に大きな力があります。
このため、将来ではなくすぐにリターンを得たいという方は高配当株投資がおすすめです。
但し、配当金には「税金が掛かる」という点は注意をしましょう。
「NISA」、「ジュニアNISA」など非課税制度を活用するのも有効です。
メリット②日本株であれば株主優待も受け取れる
日本株であれば、配当金だけでなく「株主優待」を受け取る事ができます。
株主優待の種類は様々です。
- カタログギフト
- お食事券
- クオカード
【参考】オリックス株主優待(カタログギフト)

このため、配当金を受け取るだけなく、家族にも嬉しい株主優待が貰えるのは高配当株投資の魅力と言えます。
定期的に配当金、株主優待を受け取ることで楽しみながら投資ができるのは強みです。
メリット③単元未満株であれば少額から始めることができる
現在、単元未満株取引に対応したサービスが増加しています。
大手企業の単元株(100株)の場合
- KDDI:約34万円
- 東海旅客鉄道:約161万円
- 任天堂:約533万円
その点、単元未満株取引の場合
- KDDI:約3,400円
- トヨタ自動車:約16,100円
- 任天堂:約53,380円
このため、投資信託の100円~には勝てないものの、ランチ代など少額から投資ができるのは魅力です。
代表的な証券会社手数料比較
※スマホの方スライドできます。
アプリ名 | 1,000円 | 1万円 | 10万円 | |
① | ferci(マネックス証券) (売却手数料は0.55%必要) |
0円 | 0円 | 0円 |
② | PayPay証券 | 5円 | 50円 | 500円 |
③ | LINE証券 | 2~5円 | 20円~50円 | 200~500円 |
④ | SBIネオモバル証券 (50万円まで) |
実質20円 | 実質20円 | 実質20円 |
⑤ | CONNECT (約定単価に含まれる) |
5円 | 50円 | 500円 |
手数料の値下げ競争が行われており、ユーザーは格安かつ少額から取引を始めることができます。
単元株取引に悩んだらキャンペーンを実施している「LINE証券」の活用がおすすめです。
キャンペーンをお得に活用して単元未満株取引を始めてみてはいかがでしょう。

LINE証券キャンペーン内容は公式をチェック
➤(公式)LINE証券ホームページ
LINE証券の特徴やキャンペーンは以下記事で詳しく解説しています。

メリット④米国ETFであれば投資銘柄を分散させることができる
高配当株投資のデメリットは分散性の弱さです。
企業業績により「減配」、「無配」となった場合投資企業としての魅力は低下。
対策としては、「米国高配当ETF」の活用がおすすめです。
代表的なETFは以下の通り
- VYM
- HDV
- SPYD
米国高配当ETFの御三家と言われています。
ティッカー | 特徴 | 銘柄数 |
VYM | 財務優良+分散性が高い | 約400 |
HDV | 財務健全性高い+分散性に課題 | 約75 |
SPYD | 配当利回りNO.1(リスク有り) | 約80 |
多数の銘柄に分散されているため、リスクを抑えた高配当株投資をする事ができます。
各ETFの特徴は以下で解説しています。

高配当株のメリットをまとめると以下の通り
- 配当金を受け取ることができる
- 日本株であれば株主優待も受け取れる
- 単元未満株であれば少額から始めることができる
- 米国ETFであれば投資銘柄を分散させることができる
「配当金が受け取りたい」、「株主優待が欲しい」という方は高配当株投資がおすすめです。
(検証)高配当株投資と投資信託どっちがおすすめか?

続いて、「高配当株投資と投資信託どっちがおすすめか?」を数字を元に検証していきます。
検証①トータルリターンで考える
高配当株と投資信託のパフォーマンス比較を見ていきましょう。
以下、VOO(S&P500)とVYMの5年チャートです。
- VOO:インデックス投資
- VYM:高配当株投資

結論、2020年以降VOO(インデックス投資)の方が高いパフォーマンスとなっています。
高配当株はハイテク銘柄の組み入れが少ない事が要因の1つです。
このためパフォーマンスを求める場合、インデックス投資を選択するのがおすすめです。
但し、あくまで1つの比較事例であり個別株に投資をした場合、パフォーマンスが逆転することも十分考えられます。
検証②いつ資金が必要なのかを考える
「自身がいつ資金が必要なのか?」を今一度考えてみましょう。
- 投資信託:未来の自分のための資産形成
- 高配当株:未来と現在のための資産形成
このため、定年まで現金が必要ではない場合、投資信託の選択がベストです。
但し、「すぐに資金は不要」という方も配当金を受け取ることは、モチベーションアップに繋がります。
「お金自身に働いてもらう」という感覚を感じたい方は高配当株投資も検討してみましょう。
検証③投資商品の買い方で考える
インデックス投資は「定期積立」をするのが一般的です。
ドルコスト平均法で積立することで、買付単価の平準化を図る事ができます。
一方、高配当株は「逆張り投資」です。
優良企業が市況や一時的なネガティブ情報で叩き売られている時に、買い向かう必要があります。
このため、高配当投資はタイミングを選ぶ事から「初心者向きではない」と言えるでしょう。
「買い時を考えず定期積立したい」という方は、素直に投資信託の購入がおすすめです。
高配当株の買い時については以下記事で詳しく解説しています。

検証④税金面を考える
株の配当金には税金が発生します。
現在、人気の米国ETFの場合米国課税10%も加わり「約30%」の税金が必要です。
結果、受け取り配当額は「約72%」に減額されます。
米国課税 | 日本課税 | |
(米国)配当金・分配金 | 10% | 20.315% |
(日本)配当金・分配金 | 0% | 20.315% |
米国課税分の10%は確定申告で還付を受ける事も可能ですが、所得税からの還付のため所得が少ない場合は全額は取り返すことができません。
税金面の支払いが気になる方は、投資信託またはNISAなど非課税制度の活用を検討しましょう。

(筆者の投資割合)投資信託70%、高配当株30%
参考まで筆者の投資割合は以下の通りです。
- 投資信託:70%
- 高配当株:30%
毎月の定期積立は「S&P500」を中心に20万前後。
高配当株はあくまで優良企業が叩き売られている場合のスポット購入です。
投資信託は安定した資産形成が可能であるも、「何もやる事がないのでつまらない」と感じる事があります。
このため、適度に配当金と株主優待を貰いながら投資に楽しみを求めています。
どちらの投資商品にも魅力があるため、聞かれた場合「気になるならどっちもやるべき」とアドバイスをしています。
投資スタイルは個々の性格による要素が大きいため、どちらも少額から体験し向いている投資法を試してみてはいかがでしょう。
当サイトでは、月末に資産状況を報告をしているの良ければ「資産報告記事」も合わせてどうぞ。
(まとめ)高配当株投資と投資信託どっちがおすすめか?
本記事では「高配当株投資vs投資信託(インデックス投資)」をテーマに特徴や違いを解説しました。
ポイントをまとめると以下の通り
- パフォーマンスで見ると投資信託が優位
- すぐに資金が必要な場合高配当株投資
- 買い時を選ぶため難易度が高いのは高配当株投資
- 税金面を考慮すると投資信託が優位
- 迷ったらどっちもチャレンジしてみよう
高配当株投資、投資信託どちらにもメリット、デメリットがあります。
但し、どちらも正しい投資を行えば将来の資産形成になる投資法です。
投資家の性格による向き不向きがあるため、迷ったら少額から投資を行い体験してみる事をおすすめします。
以上、「高配当株投資、投資信託どっちがおすすめか?」まとめでした。
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