こんにちはイチリタです。
今回はこんな悩みを解決します。
・日経平均株価とは?
・29年前と現在の日経平均株価の違い
【日経平均終値29年ぶりの高値】株は一旦売るべきか?
29年ぶりの高値というキーワードが目立ちますが、過去と現在の日経平均株価は大きく異なります。
2020年3月コロナショックから一転し、現在は順調に株価が上昇しています。
・米国大統領選の不透明感の解消
・新型コロナウイルスのワクチン実用化に向けた期待
こんな効果も有り、世界的な金融緩和が生んだ余剰マネーの流入が一段と強まり心理的節目である25,000円をしっかり超える形に。
ニュースでも連日、「29年ぶりの日経平均株価!」というキーワードを良く見る機会が増えましたよね。
この報道を見て不安に思うのは
こんな誤解が生まれてしまう事です。
では現在の株価は割安なのか?
と言われると、実態経済はまだまだ復活をしていませんし、首都圏を中心に感染者拡大の懸念が続いています。
ファイザーのワクチンも2021年春以降と時間が掛かるとの事。
先行きの不安はまだまだ残っているため
とはいえ、いたずらに「29年ぶりの日経平均株価!」
というワードだけを鵜呑みにして、割高と判断するのはあまりにも軽率です。
そこで、29年前の日経平均株価と現在はどう違うのか?を解説させて頂きます。
29年前と現在の日経平均株価の違いとは?

まず初めに、日経平均株価について簡単に説明します。
東証1部に上場する約2,000企業の中から選別された、日本を代表する225社の平均株価です
225社は固定された企業ではなく、倒産や東証2部への降格などで定期的に構成銘柄から除外される事が有ります。
よくニュースで聞かれるTOPIXとの違いは以下の通りです。
日経平均株価 | TOPIX | |
対象銘柄 | 東証1部優良企業 (225社) |
東証1部全銘柄 (2178社) |
計算方法 | 平均株価 | 時価総額加重平均 |
特徴 | 値がさ株の影響大 | 時価総額が影響大 |
日経平均株価の注意点は225社の平均株価であるという点です。
平均株価を表した数値のため、株価が高い企業の影響力が極めて大きくなります。
値がさ株で有名な企業は以下の通り(2020年11月11日終値時点)
コード | 企業名 | 構成率 |
9983 | ファーストリテイリング | 11.26% |
9984 | ソフトバンクグループ | 5.62% |
8035 | 東京エレクトン | 4.24% |
6954 | ファナック | 3.40% |
6367 | ダイキン工業 | 3.30% |
つまり、ファーストリテイリング(ユニクロ)の株価が大きく上がれば、日経平均株価も上昇する可能性が高いという事です。
このため、世界の投資家はTOPIXの動きを重視しています。
日経平均株価の特徴を踏まえて29年前と現在の時価総額上位10社を比較してみました。
1991年と現在の時価総額TOP10比較

時価総額TOP10は以下の通りです
順位 | 1991年 | 2020年 |
1位 | NTT | トヨタ |
2位 | 日本興業銀行 | ソフトバンクG |
3位 | 第一勧業銀行 | NTTドコモ |
4位 | 三菱銀行 | キーエンス |
5位 | 富士銀行 | ソニー |
6位 | 住友銀行 | NTT |
7位 | 三和銀行 | ファストリ |
8位 | 太陽神戸三井銀行 | 任天堂 |
9位 | トヨタ | リクルート |
10位 | 東京電力 | 中外製薬 |
1991年はTOP10の内7社が銀行系です。
各銀行は現在のメガバンクの前身。
この時価総額を見て理解して欲しいポイントは
ちなみに、1991年と現在の企業時価総額上位10社合計はこちら
1991年 | 約70兆円 (上位10社計) |
2020年 | 約112兆円 (上位10社計) |
1991年と比較して、現在は企業の時価総額も向上しています。
この記事でお伝えしたい事をまとめると
1991年と2020年の日経平均株価25,000円というのは全くの別物
という事です。
つまり、全く異なる商品を並べて割高なのか?割安なのか?を判断する行為は危険です!

1989年には「日経平均38,915円」の株価に
ちなみに、日経平均最高値は1989年12月29日39,815円です。
当時は現在の値がさ株で有る、ファーストリテイリング、ソフトバングGも日経平均株価225社に組み入れされていません。
また、1989年は15倍前後が適正と言われているPER(株価収益率)も約80倍と驚異的な割高数値でした。
それと比べれば、2020年11月時点PER23倍前後ですので、特別割高という事も有りません。
但し、注意点として、今後も株価は右肩成長を続けるのか?という質問には
という答えになります。
なぜなら常に未来は不確実だからです。
大事なポイントをもう1度言うと
まとめ
・日経平均株価は29年ぶりに25,000円をつけた
・日経平均株価は上位10社の影響を大きく受ける
・29年前と現在では日経平均株価の内容が大きく異なる
・29年前と比較して現在は時価総額も大きい
・日経平均株価を見て割高と判断する事は辞めよう
1991年と現在の日経平均株価は説明した通り別物です。
正しい情報を元に株式投資を継続していきましょう!
最後まで読んで頂きありがとうございます。
1989年のバブル経済についてはこちらでまとめています↓
