本記事では「ポンジスキームの見分け方」をテーマに過去の事例と見分けるポイントを解説します。
最近の傾向は、正しい金融知識を持っていない若年層がターゲットにされています。
「リスクを取らないと成功しない」、「不労所得」など根拠のない強引な勧誘が行われているため注意が必要です。
あなたの家族や友人が詐欺に騙されそうになっていたら、本記事で学んだ事を説明してみてはいかがでしょう。
【記事の内容】
- ポンジスキームとは?
- ポンジスキーム過去の詐欺事例
- ポンジスキーム6つの見分け方
「ポンジスキーム」とは?
まずは「ポンジスキームとは?」について解説します。
ポンジスキームを一言で説明すると
自転車操業にて配当金を支払い、タイミングを見て破綻(逃げる)スキーム
ポンジスキームの流れは以下の通り
- 出資金を運用しているよう装い、利益を出資者に還元すると謳う
- 実際は運用せず、後から出資者から集めたお金を配当金と偽って渡す
- 好調な資産状況をアピールし出資金を集める
- 出資金が集まった所で破綻(逃走)する

ポンジスキームの特徴は「一時的に偽の配当金が受け取れる」という点です。
出資者は、配当金を受け取る事で「しっかりと資産運用がされている」と勘違いし、更に出資額を増加。
結果、多額の資金を持ち逃げされてしまいます。
最近では、正しい金融知識を保有していない若者が中心に騙さています。
騙されている若者は、心から投資案件を信じ、真剣に説明会に参加していることから非常に巧妙かつ悪質な詐欺です。
ポンジスキームは、詐欺師「チャールズ・ポンジ」の名前から由来。
1920年代と古典的な詐欺ですが、現代では様々な形を変えて勧誘が行われています。
まずは、実際に起きた3つの事例から特徴を見ていきましょう。
「ポンジスキーム」実際に起きた過去の事例3選

事例①和牛預託商法
被害総額4,207億円の巨額詐欺事件です。
「繁殖母牛に出資すれば毎年生まれる子牛の売却代金で多額のリターンが望める」という勧誘で、出資金を集めていました。
特徴は以下の通り
- 元本保証+3~7%配当
- メディアで大々的に募集
- 出資者に牛の頭数を水増し報告
巨額詐欺事件となった理由として
- 政治家、著名人による雑誌、書籍での紹介
- 大手サイトでのキャンペーン
- 大手メディアでの複数取り上げ
など、大々的な広告を使ったマーケティングにより被害者が急増しました。
安愚楽牧場独自のCMも放送され、出資者を騙す手口として巧妙な詐欺事例です。
事例②ジャパンライフ
「販売預託商法」で多くの出資者から大金を集め、経営破綻した会社です。
特徴は以下の通り
- 高額な磁器ネックレス、ベストなどを出資者に購入させる
- 現物は渡さず、預託としてジャパンライフが預かる
- 購入者が知人にレンタルすると年6%利益が得られる「レンタルオーナー契約」
以下、実際に販売されていた磁器バンド(価格600万円)

一般的には異常な価格設定ですが、知人へのレンタル契約による配当が得られる点を訴求し売れていたようです。
また、大物歌手の歌謡ショーを開催し、1,000人を超える参加者の前で商品の実演。
- 今後市場が更に拡大する
- 健康に良い
- 会社の売上は成長している
など、根拠のない情報を伝え出資者を更に集める活動が行われていました。
【参考】ジャパンライフニュース
事例③PGA
注目を浴びている仮想通貨にてアービトラージ(鞘取り)で利益を上げると謳ったポンジスキームです。
特徴は以下の通り
- 月利10%以上の異常な高利回り
- 数ヶ月で資金が2倍になる
- 友人を紹介する事でお金が貰える
「仮想通貨+高利回り」という事で、若者を中心に急拡大しました。
独自のアルゴリズムを活用して、取引所間での価格差を判断し確実に利ザヤを稼ぐという謳い文句です。
PGAホームページ上では、自身の保有資産が急拡大しているのが確認できましたが、残念ながら破綻により出金はできません。
「ポンジスキーム」6つの見分け方

具体的な事例を3つから分かる「ポンジスキーム」の見分け方を解説します。
見分け方①高利回りを謳う
ポンジスキームは「魅力的な高利回り」が特徴です。
最近の傾向としては「月利〇%」など驚異的なパフォーマンスで勧誘する事が増えています。
投資信託の運用利回りは「年5%」程度です。
現実的な運用利回りを理解して、ポンジスキームを見分けましょう。
見分け方②元本保証を謳う
「この投資は元本保証です」と説明された場合、詐欺を疑いましょう。
すべての投資に共通する事ですが、未来は常に不確実であり「元本保証」はありません。
確実に儲かる投資であれば出資者など集める事なく自身で投資を行ったほうが効率的です。
- セミナーを開いて商品を紹介
- 高額な利回りを還元
- SNSでサービスのアピール
などを行って「他社からお金を集める意味は?」を冷静に考えてみましょう。
見分け方③紹介システムがある
いやゆる「ねずみ講」や「マルチ商法」などによくある紹介システムには注意しましょう。
- 友人を紹介したら〇%マージンが入る
- 10人紹介で会員ランクが上がる
など、会員数拡大を図る施策ですが、身の回りの友人とお金を失うだけなので十分ご注意下さい。
結論、運営スタートから存在している上層部のメンバー以外儲かることはありません。
見分け方④海外法人である
最近の傾向ですが、ポンジスキーム案件は「海外法人」であるという傾向があります。
詐欺師側からすると海外法人であることにメリットが多く
- 出資金が集まった際、逃走が容易
- 訴訟された場合も解決が困難
- 海外代表者を活用する事で、心理的に騙しやすい
一番のメリットは、海外法人のため出資者が現地確認ができないという点です。
出金が止まった後、「いつのまにか海外事務所は空っぽになっていた・・・」なんて事もよくあります。
見分け方⑤有名人との繋がりをアピールする
過去の場合は「政治家」や「著名人」の活用が一般的。
最近であれば「インフルエンサー」の活用が増えてきているのでご注意を。
「有名な方が紹介しているから大丈夫」などと考える方が一定数いますが、裏で紹介料が動いている事も少なくありません。
見分け方⑥投資スキームが複雑
自身で理解できない投資商品への購入は辞めましょう。
- 利回りが高い
- 誰かの紹介である
- 元本保証
などの理由だけで、「正直よく分からないけど儲かりそうだから投資をする」という事は絶対NGです。
最近の詐欺案件は非常に複雑な作りになっています。
理由はシンプルで、出資者に「明確な投資内容を理解させない方が都合が良い」ためです。
高利回りを謳う中で、投資内容を理解されてしまうとすぐに矛盾が生じてしまいます。
「自身が理解できない」という投資案件は素直に辞めましょう。
「ポンジスキーム」の注意点

注意点①一度騙された人は何度も騙されます
一度投資詐欺に騙された場合、何度も騙される傾向にあります。
- 騙されたお金をすぐ取り返したい
- 騙されたお金取り返す方法を知りたい
- SNSで問題を相談したい
など、冷静に判断ができない状況を狙われます。
事例で解説した、「和牛預託商法」でも
とウソの連絡を信じ、更に大金を失う出資者が多数発生しました。
一度騙された人は二次被害に注意をしましょう。
注意点②ポンジスキームは勝ち逃げしたら大丈夫という言葉を信じない
ポンジスキームは破綻を前提とした資金集めです。
このため、「破綻する前に資金を回収したら勝ち逃げ」と考える出資者も存在します。
たしかに、運営初期から出資者となり、高利回りを稼ぎ「勝ち逃げ」する方も一定数います。
但し、出金ルールを運営者側に握られている以上、「いつが最良の勝ち逃げタイミングなのか?」は誰にも分かりません。
「いざ出金しようとしたがもう破綻していた」というリスクもあるため、勝ち逃げを狙った出資は絶対に辞めましょう。
【まとめ】「ポンジスキーム」見分け方
本記事では「ポンジスキームの見分け方」をテーマに解説をさせて頂きました。
6つの見分け方は以下の通りです。
美味しい投資話には十分注意をしましょう。
結論、あなたのために「元本保証の高利回り投資案件」が流れ込んでくる事はありません。
本当に美味しい話であれば、広く公募する事なく静かに自身の資金を増やします。
「世の中のため」、「弱者救済」など綺麗ごとに耳を傾けず自身の資産を守りましょう。
と、悩んだら当サイトは「インデックス投資による長期分散投資」を推奨しています。
投資のためもちろん元本保証ではありませんが、「年5%」程度のリターンが期待できます。
積立NISAによる非課税制度を活用して、将来の資産形成を始めてみてはいかがでしょう。
具体的な「積立NISA」のはじめ方は以下記事をどうぞ。

以上、ポンジスキーム見分け方まとめでした。
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