本記事では、「PTS」をテーマにメリット、デメリットを解説します。
会社員の場合「仕事があり日中株取引ができない・・・」という悩みを持っている方も少なくありません。
そんな悩みを解決するのがPTS取引の活用。
PTSは夜間取引に対応しているため、時間を気にせず日本株の取引をすることができます。
但し、PTSは「参考にならない」、「おまけ程度」という声も多く取扱いには注意が必要です。
このため、本記事ではメリットだけでなくPTSのデメリットを深掘りします。
①PTSは夜間取引に対応
②決算発表後すぐに購入できるメリットがある
③手数料が安い、有利な価格で購入できるのも強み
④但し、取引参加者が少なくPTS株価は参考にならない
⑤あくまで翌日の傾向を掴む程度に活用しよう
PTS(私設取引システム)とは?
まずは、PTSの基本を確認しましょう。
PTSとは?
PTS:Proprietary Trading System
日本語に訳すと「私設取引システム」
シンプルにPTSを解説すると、取引時間外に株取引ができるシステムと覚えておきましょう。
SBI証券より引用
PTS取引は証券会社が独自で提供しているサービスであり、
- SBIジャパンネクスト証券「ジャパンネクストPTS」
- チャイエックス・ジャパンの「チャイエックスPTS」
の2種類が国内に存在します。
①ジャパンネクストPTS取引時間
デイタイム・セッション: 8時20分~16時
ナイトタイム・セッション: 16時30分~23時59分
夜間取引を行う場合、ジャパンネクストPTSを活用するようにしましょう。
②チャイエックスPTS取引時間
取引時間:8時20分~16時
ジャパンネクストと比較して取引時間が限定されています。
東証市場開始前・終了後に取引できるのは強みと言えるでしょう。
また、どちらのPTS取引も東証オープン(9時~15時)と重なる時間があります。
このため、時間外に限定された取引ではないという点は理解が必要です。
PTS(私設取引システム)4つのメリット

PTSのメリットは以下の通りです。
メリット①夜間に取引が可能
PTSは夜間に取引が可能です。
このため、日中取引ができない方を中心に活用価値があります。
また、決算発表後すぐに取引できるのも魅力と言えるでしょう。
サプライズ決算など、翌日ストップ高になる前にPTSを活用して購入することができれば大きな利益を出せる可能性があります。
東証取引時間外に日本株を購入したい方は利用を検討してみましょう。
メリット②有利な価格で取引きできる
PTSは東証取引時間にも取引をすることができます。
東証:9時~15時
PTS:8時~16時(デイタイム)
PTSは証券取引所を介さず購入するシステムであり、東証と株価が異なります。
このため、PTSを活用した方が有利な株価で購入できる場合も少なくありません。
東証時間に株を購入する場合、PTS取引の活用も検討してみましょう。
「SOR(スマート・オーダー・ルーティング)注文」を活用すれば、複数市場から最良の市場を選択して注文を行うことが可能。
注文を行う際、事前に各市場の価格を見比べることなく、自動で最も良い条件の市場へ注文できる。

SOR注文を忘れずに指定しておきましょう。

メリット③手数料が安い
以下、SBI証券の手数料比較
SBI証券より引用
- デイタイム:5%割安
- ナイトタイム:取引手数料無料
メリット④呼値が細かい
(補足)呼値とは?
PTS取引の呼値の単位は、取引所取引の呼値の10分の1~1,000分の1。
このため、取引所とは異なる価格で約定する可能性があり、売り・買いともにより有利な価格で取引が成立することがあります。
こんな魅力のあるPTSですが参考にならないと言われるデメリットが存在します。
「PTSは参考にならない?」注意するべき4つのデメリット

結論、PTSの過度な信頼は危険です。
注意するべきデメリットを解説します。
デメリット①取引参加者が少なく板が薄い

PTS取引シェアは9%前後と言われています。
拡大傾向にあるも限定的なシェアと言えるでしょう。
日本市場における株式PTSの現状より引用
また、板が薄いため売買が成立し辛い点もデメリットと言えるでしょう。
PTSは一部の投資家で売買された株価であり信頼性に欠けるという点は理解をする必要があります。
決算発表を受けPTSが大幅上昇するも、翌日東証オープンでは株価が反応しないということも少なくありません。
このため、PTSで決定された株価を過度に信頼するのは危険です。
デメリット②取引できる証券会社が少ない

PTS取引が可能な証券会社が限定されるのも課題と言えるでしょう。
大手ネット証券が対応しているため、大きなデメリットではありませんが利用状況に応じて注意が必要です。
デメリット③注文方法は指値注文に限定

PTS取引の注文方法は指値注文に限定されています。
市場参加者が少なく、注文方法が限定されるため機関投資家がPTSに参入し辛い環境にあります。
このため、PTSは基本的に個人投資家がメインに参加していると言えるでしょう。
この点も「PTSの株価は参考にならない」と言われるポイントです。
デメリット④取引時間が長時間になる

夜間取引ができるのはメリットである一方デメリットも存在します。
日中から取引時間が長くなるため、精神面で辛いと感じる方も少なくありません。
夜間も取引が出来てしまうため1日中株価を気にすることになる
結果、心が休まらずにぐっすり眠れない
東証時間9時~15時に限定されるのは、デメリットある反面精神面ではプラスとも言えるでしょう。
【結論】PTSを参考にするのは危険
PTSは「夜間取引ができる」、「手数料が安い」などメリットがある一方、限られた市場参加者で形成された株価です。
PTSで購入した結果「高値掴みになった」という場合もあるため十分注意しましょう。
このため、PTSの価格はあくまで翌日の傾向を掴むものであり過度に参考にするのは危険です。
一方、PTSを上手く活用して利益を上げている投資家も存在。
- 保有株の一部をPTSで利確する
- サプライズ決算を受けていち早くPTSで購入
- PTSで大幅に安く売れている銘柄を購入
など、PTSの活用事例と言えるでしょう。
保有株の決算を受けて、「翌日株価がどう反応するのか?」などあくまで参考情報として取扱いするのがおすすめです。
PTS利用者の3つの質問

PTS利用者の気になる質問を集めました。
Q1.PTSで買って東証で売ることはできるのか?
反対に東証で買った銘柄をPTSで売ることもできます。
このため、サプライズ決算を受けてPTSがストップ高になった場合、一部利確するのもおすすめです。
Q2.PTSが取引可能な証券会社は?
証券会社 | 取引時間 | 対応PTS |
楽天証券 | 8:20~16:00 17:00~23:59 |
ジャパンネクスト チャイエックス |
SBI証券 | 8:20~16:00 16:30~23:59 |
ジャパンネクスト |
松井証券 | 8:20~15:30 17:00~23:59 |
ジャパンネクスト |
現状、楽天証券のみ「ジャパンネクストPTS」、「チャイエックスPTS」2つに対応しています。
より有利な株価で成立を目指す場合、楽天証券を活用するようにしましょう。
一方、ナイトタイムの取引時間としては16時30分~とSBI証券が優位。
このため、各種メリット、デメリットを理解した上で証券会社を活用するのが大切です。
Q3.PTSランキングをチェックする方法は?
モーニングスターはPTSランキングを毎日更新。
- 値上がり率ランキング
- 値下がり率ランキング
- 出来高
- 売買代金

短期売買をメイン行っている方であれば、翌日の取引銘柄を選定するのにも最適です。
「株管理アプリ」を活用して資産推移をチェックしよう
実際にPTSを活用して株を購入したら、株管理アプリを活用して資産チェックを行いましょう。
カビュウは日本株だけでなく米国株にも対応。
保有株をヒートマップで表示する機能があります。
タイルの大きさは「運用総額」、色は「前日比の騰落率」を表示。

カビュウは「取引分析機能」にも対応。
簡単言うと、「いつ買って、いつ売ったか?」が取引詳細から分析することができます。


無料版も用意されているため、カビュウを活用して日々のパフォーマンスをチェックしてみてはいかがでしょう。
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PTS(私設取引システム)【まとめ】
本記事では、「PTS」をテーマにメリット、デメリットを解説しました。
PTS取引は夜間に取引ができるため、決算発表後いち早く株を購入できる点が最大のメリットです。
一方、PTSは一部の投資家で形成された株価であり過度な参考は危険。
PTSで購入したことで「高値掴み」になる場合も少なくありません。
このため、リスク面も正しく理解した上でPTSを活用するようにしましょう。
以上、PTSメリット、デメリットまとめでした。
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