米国株

【疑問】投資信託は「S&P500だけでいいのか?」5つのポイントで解説

悩み人
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色々と投資商品はあるが「S&P500」のパフォーマンスが高く気になる。ポートフォリオのすべてをS&P500のみに投資をしても良いのだろうか?

本記事では「投資信託はS&P500だけでいいのか?」をテーマに過去の事例とポイントを解説。

S&P500は「手数料の安さ」、「分散性」、「パフォーマンス」などを理由に投資家から高い評価を得ています。

楽天証券買付ランキングでも1位を獲得

このため、「S&P500だけに投資をする」という方も少なくありません。

但し、魅力的な投資商品であるも、注意点があるため本記事で深掘りします。

本記事の結論まとめ

①S&P500は最安の手数料

②500社の超優良企業への分散投資

③過去50年の年平均リターンを見ると「9%」を超える高いパフォーマンス

④但し、「為替リスク」、「新興国のパフォーマンス」に要注意

⑤すべての未来に対応したい場合全世界株式も検討しよう

(基本)「S&P500」とは?

まずは、S&P500について基本をチェックしましょう。

S&P500とは?

ダウ・ジョーンズ・インデックスにより算出される、米国の代表的な株価指数の1つ

特徴は以下の通り

  1. ナスダックに上場している代表的な500銘柄
  2. 時価総額加重平均型
  3. 日本でいうところ日経平均株価

S&P500構成銘柄には入るには、厳格な基準をクリアする必要があります。

①S&P500構成銘柄入りの基準

構成銘柄に入る基準は以下の通りです。

  • 米国企業であること
  • 4期連続黒字
  • 時価総額131億ドル以上
  • 流動性が高いこと

1兆円を超える大手企業かつ継続的に利益を挙げ続ける企業のみが構成銘柄に入ることができます。

米国企業の中でも優良な企業が選出されている指数と覚えておきましょう。

②構成銘柄上位10社

続いて、S&P500構成銘柄上位10社をチェックしていきましょう。
(2022年11月時点)

  銘柄名 ティッカー 市場
アップル AAPL NASDAQ
マイクロソフト MSFT NASDAQ
アマゾンドットコム AMZN NASDAQ
テスラ TSLA NASDAQ
アルファベット GOOGL NASDAQ
バークシャー・ハサウェイ BRK NYSE
アルファベット GOOG NASDAQ
ユナイテッドヘルス・グループ UNH NYSE
エクソンモービル XOM NYSE
ジョンソン&ジョンソン JNJ NYSE

グローバル展開が行われている、世界的な大手企業がトップ10に選出されています。

S&P500に投資をすることで、米国市場時価総額の「約80%」を網羅することが可能

③投資セクター比率

続いて、S&P500の投資セクター比率をチェックしましょう。

投資セクターは以下の通り

情報技術 25.0%
金融 13.9%
ヘルスケア 13.5%
消費財 11.7%
通信 11.5%
資本財 8.5%
生活必需品 6.2%
不動産 2.6%
公益事業 2.5%
エネルギー 2.4%
素材 2.2%

コアセクターは「情報技術」、「金融」、「ヘルスケア」です。

GAFAMを中心とした企業が、情報技術セクターの比率を押し上げているのが現状と言えます。

④投資商品の種類

S&P500は「投資信託」のみではなく「ETF」も用意されています。

S&P500投資商品は以下の通り

投資商品 手数料
eMAXIS Slim
米国株式(S&P500)
0.0968%
SBI・バンガード・
S&P500インデックス・ファンド
0.0938%
iFree S&P500 インデックス 0.2475%
VOO 0.03%
上場インデックスファンド米国株式 0.15%

0.1%を下回る低コストインデックスファンドに投資できるのは強みと言えるでしょう。

100万円投資をしても1年間当たりのコストは1,000円以下

個人投資家が、米国優良企業500社に分散投資をするのは困難であることを考えると魅力的なコストです。

また、S&P500への投資はETF「VOO」へ投資をする方法も存在。

「ETF」と「投資信託」の違いは以下の通り

ETF 投資信託
価格決定 リアルタイム 1日1回決定
売買単価 1口単位 金額単位
販売手数料 0.1%程度 0~3%程度
信託報酬 0.1~0.6%程度 0.5%~2%程度
配当金 受取 自動再投資
上場・非上場 上場 非上場
購入場所 証券会社 銀行・証券会社
株式の受渡 即時 翌営業日移行
  • 配当金を受け取りたい
  • リアルタイムの株価で売買したい
  • 米ドルで購入したい

という方はETFの活用も検討しましょう。

【疑問】投資信託は「S&P500だけでいいのか?」5つのポイントで解説

投資信託を「S&P500」だけに投資をした場合のポイントは以下の通りです。

順番に解説します。

ポイント①年度で見るとマイナスリターンの年もある

S&P500の長期チャートは以下の通りです。
(期間1970年~2021年)

長期に渡り右肩上がりのチャート形成。

過去50年の年平均リターンを見ると「9%」を超える高いパフォーマンスを上げています。

長期的にみても「安定的な株価推移+高パフォーマンス」がS&P500が人気の理由と言えます。

但し、理解しておくべきポイントとして、「単年度別で見るとマイナスの年もある」という点は注意が必要です。

特に、リーマンショック時にはS&P500の株価は「約38%」を超える下落となっています。

このため、リスクを取りすぎるのではなく、下落時も落ち着いて対応できるよう現金の比率に注意しましょう。

S&P500に投資をする場合、目先の株価変動は意識せず長期的な目線で投資をすること大切です。

ポイント②新興国の方がパフォーマンスが良い場合もある

直近1年の新興国とS&P500のパフォーマンス比較

赤:S&P500、青:新興国

長期的な推移でみると「S&P500」がパフォーマンスとして優秀です。

但し、投資時期によっては新興国の方がパフォーマンスが高い場合があります。

このためS&P500のみに投資をした場合、「新興国が好調なタイミングに恩恵を受けることができない」という点は注意しましょう。

未来は不確実な要素が多く、将来的に新興国が優秀なパフォーマンスを上げる可能性も十分にあります。

すべての市況に対応したい方は、「全世界株式インデックス」など新興国が組み込まれた投資信託の購入がおすすめです。

ポイント③米国企業はグローバルな展開をしている

GAFAMを中心とした米国企業はグローバルな展開を行っています。

  • スマホ:Apple
  • ネット通販:Amazon
  • SNS:Facebook、Instagram
  • ネット検索:Google

など、今や日本人の生活に必要不可欠なサービス。

また、日本だけでなく世界中のユーザーが日々サービスを利用しています。

つまり、S&P500に投資をすることで「結果的として世界に投資をしている」と考えることができます。

また、以下円グラフは全世界株式インデックスファンドの国・地域別の構成比率。

全世界株式の60%以上は米国企業への投資

内8割はS&P500で構成された銘柄への投資です。

つまり、全世界株式インデックスファンドに投資をしても約50%はS&P500に構成された企業となります。

このため、シンプルに「S&P500を買う」というのも検討するべきポイントと言えるでしょう。

ポイント④手数料は最安

S&P500の信託手数料は最安です。

以下、代表的なインデックスファンド手数料一覧

eMAXIS Slim S&P500 0.0968%/年
SBI・V・S&P500 0.0938%/年
eMAXIS Slim 全世界株式 0.1144%/年
SBI・V・全世界株式 0.0938%/年
eMAXIS Slim 国内株式 0.154%/年
ニッセイ 日経平均 0.154%/年

手数料差は僅かですがS&P500は最安の手数料となっています。

「不要な信託手数料を支払いたくない」という方はS&P500のみに投資するのもおすすめです。

但し、最近では全世界株式の信託報酬も格安になっている点は理解しておきましょう。

ポイント⑤為替の影響には注意

S&P500のみに投資をする場合「為替の影響」を軽視することができません。

  • 1ドル:100円
  • 1ドル:80円

では、同じ株価であっても損益は約20%異なります。

以下米ドル/円10年チャート

楽天証券米ドル/円より引用

過去10年で見ても

  • 2012年:76円
  • 2022年:151円

と大きなボラティリティとなっています。

このため、S&P500のみにする場合「為替の影響」には注意しておきましょう。

対策としては、ポートフォリオに「日本株、国内債権」を購入するなど自国通貨への投資も検討することが大切です。

「S&P500」購入検討者の3つの質問

S&P500購入検討者の質問を集めました。

質問①どこの証券会社で購入するのがおすすめか?

結論、大手ネット証券3社から選択しよう

【信託報酬】

楽天証券 0.0968%/年
SBI証券 0.0938%/年
マネックス証券 0.0938%/年

現状、SBIVシリーズが最安の信託報酬を提供しています。

但し、「手数料差は僅かである」、「手数料は定期的に変動する」という点を加味すると意識する必要はありません。

また、ETF(VOO)を購入する方法もあります。

主要ネット証券買付手数料無料一覧
※2022年11月時点

楽天証券 SBI証券 マネックス証券
無料 無料 無料

結論、大手ネット証券3社ともに「年0.03%手数料+買付手数料無料」で投資することができます。

但し、円→米ドルへの転換手数料が掛かる点は注意しましょう。

詳しくS&P500が対象の投資銘柄を知りたい方は以下記事もおすすめです。

【悩み】楽天証券、SBI証券「S&P500」どれを買うべきか?│3つのポイントを解説 本記事では「S&P500どれを買うべきか?」をテーマにおすすめの投資商品を解説します。 米国株は長期チャートで安定...

質問②全世界株式とS&P500の違いを知りたい

S&P500を検討している投資家の多くが、全世界株式の購入も検討しています。

違いをまとめると以下の通りです。

  1. 運用管理費用:S&P500が優位(但し誤差)
  2. 純資産額:S&P500が優位(但しどちらも2兆越え)
  3. 組入国:全世界の57.8%は米国
  4. 年間収益率:8勝3敗でS&P500が優位(過去11年)
  5. 組入上位5社:上位5社は同じ投資先

パフォーマンスは「S&P500」が優位な結果となっています。

詳細は以下記事にて解説しています。

【比較】全世界株式オールカントリーとS&P500どっちを買うべきか? 本記事では、「全世界株式vsS&P500」をテーマに5つのポイントで違いを比較していきます。 全世界株式とS&am...

質問③資産配分をシミュレーションをしたい

S&P500を検討している方におすすめなのが、資産配分シミュレーションツールの活用。

myINDEX資産配分ツール」を活用すれば、ポートフォリオ別のバックテストを行うことができます。

例:現金20%、株式50%、債券20%、REIT10%の場合

リスクとリターンは中間評価

このため、「米国株100%」、「米国株+不動産」などリスクとリターンを事前にシミュレーションしてみることをおすすめします。

詳しくは以下記事でシミュレーションツールを紹介しています。

【必見】資産配分シミュレーションツールおすすめ8選│ポートフォリオの見直しに最適 本記事では「資産配分シミュレーション」をテーマに、自身に最適な資産配分が手軽に分かるツールを紹介します。 資産形成には、正...

「株管理アプリ」を活用してパフォーマンスをチェックしよう

実際にS&P500の投資を始めたら、株管理アプリを活用してパフォーマンスをチェックしましょう。

当サイトでは「カビュウ」を活用したパフォーマンスチェックを推奨

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カビュウについては以下記事で詳しく解説しています。

【2023年3月】株分析アプリ「カビュウ」使い方、評判を解説│米国株にも対応カビュウはユーザー満足度向上を目的に随時アップデートを実施。 このため、本記事では毎月最新の情報を更新しています。 ...

【まとめ】投資信託はS&P500だけでいいのか?

本記事では「投資信託はS&P500だけでいいのか?」をテーマにポイントを解説しました。

ポイントをまとめると以下の通りです。

S&P500は米国を代表する優良企業へ分散投資できる投資対象です。

「格安な手数料」、「高いパフォーマンス」が魅力と言えるでしょう。

但し、「為替リスク」、「新興国が好調な時は恩恵が無い」という点は注意が必要です。

対策として、現金または国内株の保有、全世界株式を購入など検討してみましょう。

以上、「投資信託はS&P500だけでいいのか」まとめでした。

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