本記事では「株で勝てない仕組み」をテーマに要因と対策を解説します。
本記事ですべての方の勝てない仕組みを解説することは出来ません。
個人投資家が勝てない代表的な要因を解説するので、何か改善するべき点があれば実践してみることをおすすめします。
個人投資家の9割は損をしている?
「個人投資家の9割は損をしている」という言葉を聞いた事があります。
「9割」という数字の真偽には疑問が残ります。
但し、過半数以上が損失を出しているのは間違いありません。
という疑問を持つ方がいるかと思いますが、これには「生存者のバイアス」が掛かっています。
生存者のバイアスを簡単に解説すると以下の通り
何らかの選択過程を通過した人・物・事のみを基準として判断を行い、通過に失敗した人・物・事が見えなくなること
つまり、SNSでは投資に成功している方の声が広く拡散され、失敗した方は静かに市場から退場しています。

このため、一部の成功者(生存者)の意見を参考にし、「私も短期間で資金を何倍にもできるのでは?」と考えるのは危険です。
資金を何倍にもした投資家は、強靭なメンタルと冷静な判断力はもちろん、最終的には運も持ち合わせています。
生存者バイアスに惑わされず、現実的には「個人投資家が株で勝つのは難しい」という点を理解することが必要です。
それでは、投資家が勝てない仕組みを深掘りしていきます。
株で勝てない6つの仕組みを解説

①仕手株にイナゴトレードする
巨額の資金を用いて株価を操作すること。
株価を操作する投資家の事を「仕手筋」と呼ぶ。
短期的かつ大きな利益を目的としており、集団で株価を操作します。
仕手筋が好む銘柄の特徴は
- 時価総額が小さい(操作しやすい)銘柄
- 低位株(株価が安い)
- 出来高が少ない
という銘柄が注目されます。
仕手筋の流れは以下の通り
- 玉集め:個人投資家に気付かれないように静かに買い集める
- 玉転がし:玉集めが完了次第、出来高を急増させ個人投資家の買いを集める
- ふるい落とし:株価急騰を確認後、保有株をすべて売却する

多くの個人投資家は「玉転がし」の出来高急増を確認すると
という思惑からイナゴトレードを行い株価上昇をアシスト。
最終的に、仕手筋のふるい落としにより大きな損失を被ります。
「仕手株へ参加してしまう」というのも個人投資家が勝てない仕組みの1つです。
②機関投資家と真っ向勝負する
短期トレードを行い「機関投資家と真っ向勝負」する投資家も少なくありません。
機関投資家は個人と比較して
- 資金量
- 情報量とスピード
- 情報の分析力
など、法人として行うため個人投資家には太刀打ちできません。
それにも関わらず、短期トレードで機関投資家と資金を取り合う形をとり、結果多くの投資家が退場します。
大成功をしている個人投資家の方は、一部の天才と考える方が無難です。
③損切りが出来ずに大損
但し、株式投資で安定した資産形成をしたいと考えるのであれば、手法を覚える前に資金管理を行うことが重要と言えます。
まずは、「市場から退場しない」という事を意識して、事前に決めたルールに沿って損切りすることが必要です。
くれぐれも、損切りラインが近づいたら注文を外すなどルールを変えることは辞めましょう。
④落ちているナイフをつかむ
相場の格言で「落ちているナイフをつかむな」という言葉があります。

意味は、「株価が急落している状態では株を購入するな」という意味です。
株価が急落しているチャートを見ると、
と焦って購入するのではなく、しっかりと底打ちを確認してから購入することをおすすめします。
但し、「デット・キャット・バウンス(死んだ猫も跳ねる)」というウォール街の格言もあり、本当の底打ちを判断するのは難しい点は注意が必要です。
⑤短期的に資産増加を狙う
短期トレードの場合、上記でも解説した通り相手は機関投資家です。
また、レバレッジ取引には魅力はあるも、相場によっては資産以上のマイナスとなる事もあります。
損失が続くと、最終的に感情的なギャンブルトレードにを行い資産をすべて失う方も少なくありません。
「短期的トレードで資産を〇倍に!」という他人の言葉を鵜呑みにせず、長期的な目線で投資をすることをおすすめします。

⑥感覚で投資をする
- 株主優待が欲しい
- いつも利用している企業の株を買う
- 株価が下落が続いている
など、感覚トレードの一例。
投資をスタートするきっかけとしては、1つの購入理由ですが長期的に投資をしていく場合は明確な理由を持って投資をする必要があります。
株で勝つための4つの対策

対策①投資先のスクリーニングを行う
投資をする企業は、感覚でなく企業分析を行った上で購入しましょう。
但し、上場企業は「約3,800社」存在するため、1社ずつ企業分析するには膨大な時間が必要になります。
そのため、株価の指標として活用される
- PER、PBR
- 売上高増加率
- 経常利益増加率
- 大株主の構成
など条件入力を行い、効率よく投資銘柄のスクリーニングを行う必要があります。
スクリーニングと聞くと難しく感じる方もいますが、現在は無料で使えるアプリ、ツールが多数あります。
以下、記事を参考に投資企業のスクリーニングを実施してみましょう。

対策②長期目線で投資を行う
機関投資家にはない個人の強みは「長期投資にあり」と考えています。
長期的に見て成長が期待できる企業であれば、含み損の状態でも保有を続けられるのは個人投資家のみです。
機関投資家は常に最高のパフォーマンスが求められるため、含み損の放置はできません。
このため、短期ではなく長期的な目線で投資先を選定することをおすすめします。
但し、投資スタイルは性格や資金量によっても異なるため、以下記事から「自身にはどんなスタイルが合うのか?」をチェックしてみてはいかがでしょう。

対策③急騰株へのイナゴトレードは控える
筆者は急騰しているゲーム株にイナゴトレードし、資産の半分以上を失った経験があります。
それ以降、急騰している銘柄へ投資を行うことはありません。
スタイルとしては以下の通りです。
- 財務優良な大手企業
- 一時的な業績不振から株価急落
- 10年以上の長期ホールドを想定
配当金を受け取りながら、株価上昇を期待して長期保有を行っています。
このスタイルが正しいのか?というのは分かりませんが、仕手株で大金を失うことは無くなりました。
「中小型投資の神様」ピーターリンチ氏の言葉を引用すると
機関投資家やプロがまだ目を付けていない株を購入しなさい
という言葉を残しています。
つまり、株価が急騰していないまだ誰にも評価されていない企業を見つけ出し、投資をすることが必要と言えます。
ピーターリンチ氏の言葉は大変勉強になるので、以下記事も合わせてチェックしてみましょう。

対策④投資の勉強は継続する
当たり前ですが、投資勝率を上げるには勉強が必要です。
現在は、SNSの発達により有益な情報を無料で受け取ることができる時代です。
具体的な勉強方法は
- Youtube
- 投資本
- 株雑誌
- シミュレーションアプリ
など、様々な選択肢があります。
具体的な方法は以下「株の独学で勉強する方法」で詳しく解説しています。

株で勝てない仕組み【まとめ】
本記事では「株で勝てない仕組み」をテーマに要因と対策を解説します。
株で勝てない仕組みは以下の通り
個人投資家の過半数は、機関投資家と勝負を行い損失を出しています。
また、市場から退場する方は静かにいなくなり、SNSなどでは目立ちません。
このため、一部の「天才」、「強運」の投資家が目立ちますがこれには「生存者のバイアス」が掛かっている点は注意をしておきましょう。
投資スタイルは人ぞれぞれ得手不得手があるため、まずは自身に合った方法を見つけることから始めることをおすすめします。
もし迷ったら、「市場から正しく評価されていない株を見つける」など長期目線で投資先を選定してみてはいかがでしょう。
以上、株勝てない仕組みまとめでした!
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