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【検証】「株式分割は儲かるのか?」11社の実例を元にメリット、デメリットを解説

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悩み人
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株式分割された株は儲かるのか?メリット、デメリットを教えて欲しい

本記事では「株式分割」をテーマにメリット、デメリットを解説します。

企業が発表する株式分割は、株価に大きな影響を与えるは要因の1つです。

分割により取得単価が下がるため、株主の増加が期待される点はメリットと言えます。

株主増加に伴い、感覚的に「株式分割がされた銘柄は株価が上がる」というイメージを持たれている投資家も少なくありません。

このため、本記事では過去の事例を元に「株主分割は本当に儲かるのか?」を検証していきます。

本記事のポイント

①株式分割により取得単価が下がる点は強み

②安定株主の増加、株主優待が貰いやすいなどメリットが存在

③一方、デメリットも存在するため注意

④株式分割により多くの銘柄は株価が上がり儲かる

⑤但し、株式分割日には変動が見られない点は注意しよう

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株式分割とは?

まずは、株式分割の基本をチェックしましょう。

株式分割とは?

会社が保有する株式を一定の倍数で分割することを指す。取得単価が下がるため安定株主の増加が期待される
株式分割(例)

A社:1株5,000円

株式分割を発表 1→2株

株式分割により2株2,500円になる

上記の場合、保有株数が2倍になり取得単価は半値になります。

※割り当て比率は、「1→2」、「1→4」だけでなく「1→1.5」といった端数となる分割が行われる場合もある

続いて、株式分割のメリット、デメリットを確認しましょう。

株式分割「企業」3つのメリット

株式分割には企業側、投資家側のメリットが存在します。

企業側のメリットは以下の通りです。

順番に解説します。

①安定株主の増加

値がさ株で有名な「ファーストリテイリング」は100株当たりの取得単価は約350万円。

350万円という金額は、投資家を選ぶ投資額と言えるでしょう。

(補足)2023年2月ファーストリテイリングは株式分割を実施(1→3株)

株式分割をすることで、取得単価が下がり新たに株を取得する個人投資家が増加。

結果、長期保有を続ける安定株主が増加し、株価の流動性を抑える効果があります。

②上場市場の指定変えの条件を満たせる

上場市場別に指定された条件が存在します。

例:プライム市場
  • 株主数:800人以上
  • 流通株式数:2万単位以上
  • 流通株式時価総額:100億円以上
  • 流通株式比率:35%以上
  • 時価総額:250億円以上

※一部抜粋(上場審査基準 | 日本取引所グループ

現在スタンダード市場で上場している企業がプライム市場への指定変えを目指す場合、流通株式数を「2,000から20,000」に増加させる必要があります。

株式分割を行うことで株主数、流通株式数の増加を図ることで可能です。

③時価総額の増加

取得単価が下がるため、個人投資家の購入が容易になります。

POINT

結果、市場での需給が増加することにより株価上昇が期待される

株価上昇は時価総額に直結するため、企業側のメリットと言えるでしょう。

株式分割「個人投資家」3つのメリット

続いて、株式分割における個人投資家のメリットは以下の通りです。

順番に解説します。

①購入単価が下がる

単元株(100株)の取得単価が下がるのが株式分割のメリットです。

100万円超える値がさ株の場合、投資家の資金量によっては簡単に手がでる金額でありません。

また、200株以上保有することで「100株のみ利益確定する」など、投資方針を調整できるのも株式分割の強みと言えるでしょう。

②株主優待が手軽に貰える可能性がある

株主優待の条件は「100株以上」というルールを設けるのが一般的です。

株式分割を行うことで、取得単価が下がり手軽に株主優待を貰える可能性があります。

POINT

但し、株式分割と合わせて優待内容が変更になる可能性がある

③配当金が貰える株数が増加

1株当たりの配当金が維持された場合、受け取れる配当が増加するのも魅力です。

但し株式分割の場合、配当金が減少する場合が多いため過度な期待は禁物と言えるでしょう。

株式分割「企業」のデメリット

株式分割にはデメリットも存在するため注意しましょう。

順番に解説します。

①株主管理コストの増加

株式分割をすることで、取得単価の減少に伴い個人投資家が増加すると言われています。

結果、株主管理コストの増加に繋がる点は注意が必要です。

株主管理コスト増加(例)
  • 株主優待の発送
  • 総会案内の送付
  • IR問い合わせ対応

投資家への対応・管理コストが増加するため、企業側とってのデメリットと言えるでしょう。

②株価の流動性が高まる

株主数の増加はメリットである一方、株価の流動性が高まる要因です。

決算発表、月次リリースによって大きく株価が変動する点は注意する必要があります。

株式分割「個人投資家」デメリット

株式分割における個人投資家のデメリットは以下の通りです。

順番に解説します。

①端株が発生する場合がある

株式分割は「1→1.2」、「1→1.5」など端数での分割が行われる場合があります。

1株未満の端数は通常の取引では対応することができません。

  • 単元未満株(S株)での取引
  • 「買増請求(買付)」、あるいは「買取請求(売却)」を行う

単元未満株に対応していない証券会社の場合、買取請求を依頼する必要がある点は注意が必要です。

(参考)株式分割後、1株に満たない端株が生じた場合(三井住友信託銀行)

②実力以上に株価が評価されボラティリティが上がる

株式分割が発表された場合、短期的に買いが入り株価が急騰する場合があります。

実力以上に急騰した株はボラティリティが高まり急落するリスクある点は注意が必要です。

POINT

購入しやすい株価になっただけで、売上・利益を同じ

株式分割では企業の本質的価値に変化はありません

「株式分割は儲かるのか?」11社の実例を解説

「株式分割は儲かるのか?」をテーマに過去の実例を元に解説します。

2022年12月29日11社の株式分割を元に検証

①「株式分割」対象企業一覧

2022年12月29日に上場した企業は以下の通りです。

分割権利
落ち日
銘柄
市場
割当比率
22/12/29
ステムセル研究所
東証グロース
1→2
22/12/29
スターツ出版
東証スタンダード
1→2
22/12/29
新東
東証スタンダード
1→2
22/12/29
ロブテックス
東証スタンダード
1→2
22/12/29
ロート製薬
東証プライム
1→2
22/12/29
RS Technologies
東証プライム
1→2
22/12/29
恵和
東証プライム
1→2
22/12/29
Birdman
東証グロース
1→2
22/12/29
インソース
東証プライム
1→2
22/12/29
ユニフォームネクスト
東証グロース
1→4
22/12/29
ASNOVA
名証
1→2

割当比率は様々あるも、「1→2」の分割が多いと言えるでしょう。

②分割権利落ち日の株価

分割権利落ち日の株価推移は以下の通りです。
※以下、分割後の株価で記載

銘柄
前日終値
当日終値
ステムセル研究所
2,585円
2,491円
スターツ出版
2,925円
2,866円
新東
1,582.5円
1,520円
ロブテックス
1,292.5
1,320円
ロート製薬
2,397.5円
2,343円
RS Technologies
3,600円
3,550円
恵和
1612.5円
1,573円
Birdman
1,915円
1,901円
インソース
1,547.5円
1,534円
ユニフォームネクスト
365.3円
351円
ASNOVA
1,090円
1,080円
POINT

分割日に大きな株価変動は見られない

このため、株式分割日を狙った購入はおすすめできないと言えます。

続いて、株式分割をリリースした翌日の株価をチェックしましょう。

③株式分割リリース翌日の株価

株式分割リリース翌日の株価は以下の通りです。
※以下、分割後の株価で記載

銘柄
前日終値
当日終値
ステムセル研究所
2,445円
2,505円
スターツ出版
2,905円
3,250円
新東
1,190円
1,440円
ロブテックス
1,115円
1,365円
ロート製薬
2,280円
2,077.5円
RS Technologies
4,250円
4,275円
恵和
1,695円
1,862.5円
Birdman
1,607.5円
1,957.5円
インソース
1,464.5円
1,715円
ユニフォームネクスト
315円
390円
ASNOVA
796円
837.5円

上記11社をまとめると以下の通り

10%以上株価上昇 6社
5%以上株価上昇 7社
株価上昇 11社
株価下落 1社
5%以上株価下落 1社
POINT

ロート製薬を除きすべての銘柄で株価上昇が見られた

ロート製薬は株式分割と同時に業績下方修正を発表したことが要因

一部銘柄はストップ高になるなど、株式分割発表翌日は多くの銘柄で株価が上昇すると言えるでしょう。

(例)スターツ出版チャート

株価は投資家の期待で大きく変動するため、株式分割はプラスの投資材料です。

一方、分割日には株価が反応していません。

このため、株式分割が発表された後に対象銘柄を購入しても、利益を出すことはできないと考えるべきでしょう。

株式分割されそうな銘柄の特徴

Google検索では「株式分割されそうな銘柄」という個人投資家の予測が散見されます。

但し、正確には株式分割されそうな銘柄は誰にも分かりません。

ミスリードを誘発する要因であるため、当サイトでは個別銘柄への言及は避ける

このため、あくまで株式分割されそうな銘柄の特徴を解説します。

①値がさ株

(補足)値がさ株とは?

値がさ株とは、1単元当たりの株価の水準が高い銘柄のことを指す。

「いくらから値がさ株になるのか?」という明確な定義は存在しない。

但し、最近では100株当たり50万円以上(1株5,000円)の銘柄を値がさ株と呼ぶ場合が多い。

東証は個人投資家が売買しやすい投資単位を明示。

東証では、個人投資家が投資しやすい環境を整備するために、望ましい投資単位として5万円以上50万円未満という水準を明示しています。

投資単位の引下げ 日本取引所グループ

東証の方針に沿って、上場会社の投資単位は引き下げが行われています。

東証に上場する95%以上は50万円未満で購入することができる

このため、50万円以上の投資単位である値がさ株は今後東証の水準に基づき株式分割が行われる可能性が高いと言えるでしょう。

値がさ株株式分割(例)
  • 明治ホールディングス 1→2
  • オリエンタルランド 1→5
  • ファーストリテイリング 1→3

※2023年に株式分割

②業績好調銘柄

業績好調な銘柄も株式分割の可能性があります。

右肩上がりのチャートを形成している場合、度重なり株式分割を実施。

例:神戸物産2018年~2022年チャート

過去5年間で3回の株式分割を実施。

このため、業績好調により株価が上昇している企業の株を購入することで、株式分割の恩恵を受ける可能性が高まります。

株式分割銘柄を探すならスクリーニングツールを活用しよう

今後株式分割が期待される銘柄を探す場合、スクリーニングツールを活用するようにしましょう。

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株式分割メリット、デメリット【まとめ】

本記事では「株式分割」をテーマにメリット、デメリットを解説しました。

本記事のポイントまとめ
  1. 株式分割により取得単価が下がり安定株主の増加が期待される
  2. 企業の管理コスト増加には注意
  3. 検証の結果、株式分割発表後上昇が見られた
  4. 株式分割当日は株価の反応はない
  5. 株式分割銘柄を探す場合、業績好調な銘柄を探し出そう

過去の実例通り、株式分割を発表した翌日の始値は大きく株価が上昇。

一方、株式分割当日には大きな影響はありません。

このため、個人投資家に情報が入った後に追いかけて購入をするのはおすすめできないと言えるでしょう。

スクリーンニングツールを活用し、今後株式分割が期待される好業績銘柄を探し出すのが大切です。

以上、「株式分割は儲かるのか?」メリット、デメリットまとめでした。

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