投資知識

【疑問】「TOB(株式公開買付)された株はどうなる?」わかりやすく対応を解説

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悩み人
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保有株がTOBされた。どのように対応したら良いのだろうか?

本記事では「TOB(株式公開買付)」をテーマに投資家が取るべき対応を解説します。

保有株がTOBされた場合、直近株価を参考にプレミアムを乗せた価格で買付が行われます。

多くの投資家はTOBにより利益を上げることができる

但し、TOBは年間50~70件程度と保有株がTOBされるのは簡単ではありません。

このため、いざ自身の保有株がTOBされた場合「どうなるのか?」、「どう対応したら良いのか?」と悩む投資家は少なくありません。

そこで、TOBされた株について投資家がとるべき対応を解説します。

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TOB(株式公開買付)とは?

まずは、TOBの基本について解説します。

TOBとは?

株式市場を通さず不特定多数の株主から株式を大量に買うことを指す

TOBとは(take-over bid)の略

「Take over=企業の取得、Bid=入札」

つまり、入札による企業取得=株式公開買付を行う行為と言えます。

  • 買付け期間
  • 買取り株数
  • 価格

を公告し株主より株式を買付。

株式買付で出来ること

発行株式数を一定数持つことで社長を始め役員の選任が可能です。

また、会社の解散など実質的な経営権を持つ力があります。

【株式保有率による権利】

33%以上取得 重大な決定事項の拒否
50%以上取得 社長をはじめとする役員の選任
66%以上取得 会社を合併・解散
50%超えの株を保有することで、社長の解任が可能

友好的TOBと敵対的TOB

TOBには「友好的TOB」、「敵対的TOB」の2種類が存在。

順番に解説します。

友好的TOB

株式の買収について対象企業経営陣の了承を得た買付

国内で行われるほとんどが友好的TOBです。

了承を得ているため失敗に終わることはありません。

敵対的TOB

対象企業やその大株主へ事前の合意や通知なしに株式の大量買付を行う

主に公開買付の方法を取り、市場外で株を保有を目指します。

「買付期間」、「価格」、「数量」を提示。

特別決議の可決ラインまで確保したい場合は、3分の2までの取得、経営権を確保する場合100%の取得を狙います。

敵対的TOBの事例

「伊藤忠vsデサント」

伊藤忠はデサントの大株主であり、経営危機に陥るたびに支援を継続

但し、業績の回復が見込めず伊藤忠は経営陣の刷新を計画

ところが、デサントが経営人変更を拒否

結果、伊藤忠は敵対的TOBを実施

伊藤忠は1株あたりの「2,800円」で公開買付を実施。

結果デサントの株の40%を確保したことにより、敵対的TOBが成立しました。

現在、伊藤忠完全子会社「BSインベストメント㈱」がデサントの株を約4割保有しています。

株式保有比率は経営において重要な要素である

敵対的TOBの防衛策

国内において敵対的TOBの成功は多くありません。

引用:M&A Online

2021年:敵対的TOB5件中1件のみ成立

不成立に終わる理由は、敵対的TOBに様々な防衛策が存在するためです。

防衛策の一例は以下の通り

ホワイトナイト 別の友好的企業にTOBしてもらい大量の株式を保有して貰う
ポインズンピル 新株を発行し保有率を下げる。過半数の株式を保有するための費用を増大させる
パックマン・ディフェンス 買収対象企業が、買収を仕掛けた企業の株式を購入し逆に買収を仕掛ける方法
スコーチド・アース 敵対的買収が発生した際に、優良資産・収益性の高い事業を売却。買収の動機を削ぐ方法
ゴールデンパラシュート 経営陣が解任された際に巨額の割り増し退職金を支給することを事前に規定。敵対的買収者の買収コストを膨らませ、買収後の企業価値を低下させる

新株発行は、価値の希薄化に繋がるため一般的には株価が下がると言われています。

このため、保有株が敵対的TOBされた場合は注意が必要です。

「TOB(株式公開買付)」投資家のメリット

プレミアム価格で買付が行われるため、多くの投資家は利益を出すことができます。

以下、2014年〜18年の年度別プレミアムです。

年度 プレミアム平均
2014年 36.70%
2015年 39.90%
2016年 40.85%
2017年 34.90%
2018年 35.76%
年平均で見るとプレミアムは35~40%

このため、TOBは多くの投資家にとって嬉しいサプライズと言えます。

「TOB(株式公開買付)」投資家のデメリット

TOBはメリットばかりでなく、デメリットも存在します。

  1. 継続保有ができなくなる
  2. TOBが不成立となる場合がある

①継続保有ができなくなる

投資家の中には、キャピタルゲイン(売却益)ではなく、インカムゲイン(配当益)を狙った投資をしている方も少なくありません。

投資企業が高配当かつ安定した配当を維持しているにも関わらず、TOBが行われた場合上場廃止となります。

このため、一時的なキャピタルゲインが得られるも、将来得られたであろうインカムゲインが失われるのはデメリットです。

得られたプレミアムを活用して、新たな銘柄への投資を実施してみましょう。

②TOBが不成立となる場合がある

敵対的TOBを中心に、TOBは不成立となる場合があります。

このため、一時的に株価が急騰した後、短期間で株価が下落する可能性がある点は注意しましょう。

サヤ寄せを確認したら、以下で解説する対応を行うことがおすすめです。

「TOB(株式公開買付)」取るべき3つの対応を解説

保有株がTOBされた時にとるべき対応は以下の通りです。

順番に解説します。

①株式市場で売却する

TOBが発表された場合、通常買付価格まで株価が上昇します。

  • 現在株価:500円
  • 公開買付価格700円

上記のようなTOBが発表された場合、翌営業日には株価が700円付近を付けるのが一般的。

これを「サヤ寄せ」と言う。

例:伊藤忠によるファミリーマートに対するTOB(公開買付価格2,300円)

結論、サヤ寄せを確認した後、素直に市場で売却するのがおすすめです。

②TOBに申し込みせず、そのまま保有を続ける

TOBが発表されても、申し込みをしないという選択が可能です。

但し、TOBが成立した場合には上場廃止となり流動性が悪化する

また、完全子会社化される場合は親会社の株と「株式交換」が行われる場合があります。

「二段階買収」という方法で企業が株式を強制的に取得する方法も存在。

このため、保有を継続せず素直にTOBに応じるのがおすすめです。

③TOBに申し込みする

TOBに申し込み、買収企業に公開買付価格で買い取りを依頼することができます。

TOB申し込みの場合、手数料が発生しない

但し、TOB申し込みには注意点があります。

  • 申し込み上限数がある
  • 受付を行う証券会社が限定されている
  • 移管依頼書の作成が必要

このため、TOB公開買付の代理人が「みずほ証券」の場合、新規でみずほ証券の口座を開設する必要があります。

TOBだけのために新規口座を開設するは手間と感じる方も少なくないでしょう。

代理人の証券口座を保有している場合、申し込みを検討してみよう

(注意)単元未満株は市場売却ができない

単元未満株を保有している方は市場での売却不可

TOBにより上場廃止が決定した銘柄は、「監理銘柄」に指定。

監理銘柄に指定された単元未満株は市場での売買ができないルールが設けられています。

単元未満株の対応方法

結論、単元未満株はそのまま保有で問題ない

最終的に「強制売却」されるため、数ヶ月すれば自身の口座に入金が行われる

上記で紹介した方法を元に、落ち着いて対応しましょう。

保有株のTOBを素早く確認する方法

保有株のTOBをいち早く確認をするには「適時開示」の確認が必要です。

適時開示とは?

公正な株価等の形成および投資家保護を目的とする、上場会社に義務付けられている「重要な会社情報の開示」

適時開示で公開される情報は以下の通り

①決定事項 新株発行、会社分割、合併、自己株式取得等
②発生事実 事件、事故、災害、行政処分
③決算情報 決算短信、業績予想、配当予想修正等

例:ソフトバンク2022年3月期決算短信

引用:ソフトバンク株式会社決算短信

例:ソフトバンク新株予約権発行

引用:新株予約権(ストックオプション)お知らせ 

上場会社の責務として、投資家に対して投資判断材料を「適切」に開示する必要があります。

特にTOBは極めて重要な情報であり、いち早く情報を取得する必要があります。

そこでおすすめなのが適時開示アプリの活用。

例:カビュウによる保有株の適時開示

無料で使えるアプリを活用して、素早く情報を取得できるようにしておきましょう。

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「TOB(株式公開買付)された株はどうなる?」【まとめ】

「TOB(株式公開買付)」をテーマに投資家が取るべき対応を解説しました。

TOBによる対応をまとめると以下の通り

結論、サヤ寄せを確認した後「株式市場で売却する」のがおすすめです。

また、買付代理人口座を保有している場合、TOBに申し込みをするのも検討してみましょう。

以上、TOBとるべき対応まとめでした。

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