本記事では「VIX指数(恐怖指数)」をテーマに基本を分かりやすく解説します。
VIX指数とは、一般的に将来の株式市場に対する投資家の不安心理を表す指標。
2020年コロナショックでは、歴史上2番目に高い「85.47」を付けたことで話題となりました。
VIX指数は市場のリスク度合いを測ることができる便利な指標です。
安定した資産形成をするためにも、特徴をチェックしておきましょう。
VIX指数(恐怖指数)とは?
まずは、VIX指数の基本確認しましょう。
VIX指数とは?
※ボラティリティ=一般的に価格変動の度合い
VIX指数の基本は以下の通り
- VIX指数が上昇:変動率が上がる
- VIX指数が下落:変動率が下がる
つまり、市況が不安定になり変動率が高くなるとVIX指数が上昇します。
ボラティリティには2種類ある
- ヒストリカル・ボラティリティこれまでの値動きを表したもの
- インプライド・ボラティリティ:これからの値動きを表したもの
VIX指数は「②これからの値動き」を表した指標です。
「未来の株価変動率」を表した指標と言えるでしょう。
VIX指数(恐怖指数)得られる情報とは?

具体的には以下の通り
一部抜粋すると以下の通り
VIX指数10 | 1ヶ月後の株価±2.9%の値幅 |
---|---|
VIX指数20 | 1ヶ月後の株価±5.8%の値幅 |
VIX指数30 | 1ヶ月後の株価±8.7%の値幅 |
つまり、VIX数が30の時は「30日後のS&P500は±8.7%に着地する」という予測ができます。
このため、「VIX指数が高い=リスクが高い状態」という点を覚えておきましょう。
VIX指数(恐怖指数)計算式
VIX指数の計算式は以下の通り

より詳しく、計算式の中身を知りたい方はWikipediaのチェックがおすすめです。
結論、VIX指数はチャートで確認できるため計算式を覚える必要はありません。
VIX指数(恐怖指数)高くなる理由とは?
オプション取引は、約束した商品を決められた期日で取引する権利を売買する取引です。
例:1ヶ月後2万円で取引する権利の場合
- 3万円に靴の価値が上昇:買い手が1万円の利益
- 1万円に靴の価値が下落:売り手が1万円の利益

上記で説明した通り、オプション取引は「決められた期日で売買する権利」
つまり、相場平常時は細かな範囲で売買が行われます。

この状態は、「変動率は低い=VIX指数が下落」となります。
一方、パニック相場では広い範囲で権利が売買される。

結果、「変動率が高い=VIX指数も上昇」という結果に繋がります。
VIX指数(恐怖指数)と株価の関係性

- VIX指数が上昇=株価が下がる
- VIX指数が下落=株価が上がる
となるのが一般的です。
以下、2020年コロナショック時のチャート

2020年3月の株価暴落と合わせて、VIX指数が急騰しています。
パニック相場は暴落相場で発生。
リスクが高いと投資家が判断すれば「株式」⇒「現金」の動きが活発化。
結果、売りが売りを呼びパニック相場となり、オプション取引は広範囲で権利の売買が行われます。
VIX指数(恐怖指数)ランキング
VIX指数ランキングは以下の通りです。
年月 | VIX指数 | 要因 |
2008年10月 | 89.53 | リーマンショック |
2020年3月 | 85.47 | コロナショック |
2015年8月 | 53.29 | チャイナショック |
2018年2月 | 50.30 | 米国金利急上昇 |
2001年9月 | 49.35 | アメリカ同時多発テロ |
1997年10月 | 48.64 | アジア通貨危機 |
2011年8月 | 48.00 | S&Pが米国債を格下げ |
2011年10月 | 46.88 | 欧州債務危機 |
ポイントは以下の通り
- 1位はリーマンショックの「89.53」
- コロナショックは2位「85.47」と歴史的な高値
- VIX指数50超えは過去20年で4回のみ
コロナショックではリーマンに並ぶ高いVIX指数となりました。

VIX指数(恐怖指数)3つの活用方法

VIX指数の活用方法を3点解説します。
- VIX指数が高い時は投資を控える
- 短期トレードの逆張りに活用する
- インデックス投資を行う(米国株)
順番に解説します。
①VIX指数が高い時は投資を控える
「VIX指数高い=リスクが高い」状態にあります。
このため、VIX指数が急騰している際は投資を控える方も少なくありません。
特に短期トレードの方はボラティリティが高い状態にあるため、いつも以上に投資比率を下げるなど対策を取りましょう。
②短期トレードの逆張りに活用する
VIX指数を逆張り戦略に活用する投資家もいます。
但し、上記で解説した通りリスクが高く注意が必要です。
例としては、「VIX35以上で新規購入をする」などの投資家によってルールは様々。

以下、VIX指数10年チャート

VIX指数35~40に1つの抵抗線があることが良く分かります。
但し、「○○ショック」の際はVIX指数が急騰するため、あくまで1つの指標として活用しましょう。
③インデックス投資を行う(米国株)
VIX指数水準別の1年後株価上昇率も参考になるデータです。
「野村アセットマネジメント」が発表(期間:2009年~2021年)
参照:世界的な株価急落と今後の見通し | 野村アセットマネジメント
結論、VIX指数が25以上の際「S&P500」及び「NASDAQ100」を購入すれば1年後100%株価が上昇す。
このため、長期投資家の方であればVIX指数を参考に、エントリータイミングを図るというのもおすすめです。
但し、あくまで過去12年の歴史による統計であり、今後も確実に上昇する保証はないため十分注意しましょう。
VIX指数(恐怖指数)【まとめ】
本記事では、「VIX指数(恐怖指数)」をテーマに基本を解説しました。
記事のポイントは以下の通り
- VIX指数はS&P500の変動率を表した指標
- VIX指数は未来の株価予想範囲に使える
- VIX指数歴代NO.1はリーマンショックの「89.53」
- コロナショックは2位「85.47」と歴史的な高値
- VIX指数が高い時はリスク対策が必須
VIX指数は以下サイトからチェックすることが可能です。
相場暴落時は特にVIX指数に注目をしましょう。
また、リスクを抑えた投資をしたい方は、VIX指数が落ち着くまで新規エントリーは控えることをおすすめします。
以上、VIX指数まとめでした。
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