本記事では、「HDVを活用した配当金生活」をテーマにいくら必要なのかを解説します。
HDVは米国高配当ETFとして投資家から高い評価を受けている投資商品です。
格安の手数料、セクター分散などSNSを中心に「高配当株投資におすすめ」として紹介されることも少なくありません。
一方、投資商品を正しく理解するにはメリットだけでなくデメリットも正しく理解しておくことが大切です。
このため、本記事ではHDVの特徴だけでなく投資を行う際のリスクについても解説します。
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「HDV」4つの特徴
まずは、HDVの特徴を確認しましょう。
iシェアーズ コア 米国高配当株ETF
投資内容 | 財務状況が健全な高配当企業約75社に投資 |
---|---|
コアセクター | エネルギー ヘルスケア 生活必需品 |
経費率 | 0.08% |
分配金 | 四半期ごと |
配当率 | 4.09% |
純資産 | 99.17億米ドル |
直近の配当金 | 1株につき1.078057米ドル(2023年9月26日時点) |
株価 | 96.47米ドル(2023年10月7時点) |
公式サイト | iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF (blackrock.com) |
「HDV」構成銘柄
HDV組入上位10社は以下の通りです。
※2023年10月時点
銘柄名 | セクター | 保有比率 |
EXXON MOBIL CORP | エネルギー | 8.27% |
JOHNSON & JOHNSON | ヘルスケア | 6.73% |
ABBVIE INC | ヘルスケア | 6.25% |
CHEVRON CORP | エネルギー | 6.25% |
VERIZON COMMUNICATIONS INC | 通信 | 6.03% |
ALTRIA GROUP INC | 生活必需品 | 3.82% |
PEPSICO INC | 生活必需品 | 3.77% |
COCA-COLA | 生活必需品 | 3.77% |
CISCO SYSTEMS INC | 情報技術 | 3.5% |
INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CO | 情報技術 | 3.4% |
GAFAMを中心としたハイテク企業の代表格は組み入れされていません。
世界6大石油会社の1つである、「エクソンモービル」が8%越えと組入銘柄数が少ないため特定企業の比率が高い点がHDVの特徴です。
また、コカ・コーラ、ペプシコなど生活必需品セクターが上位に入っている点は魅力と言えるでしょう。
「HDV」セクター比率
HDVセクター比率は以下の通りです。
セクター | 保有比率 |
エネルギー | 22.60% |
ヘルスケア | 19.93% |
生活必需品 | 14.40% |
公益事業 | 9.68% |
情報技術 | 9.36% |
通信 | 8.76% |
金融 | 8.51% |
資本財・サービス | 3.57% |
素材 | 2.34% |
一般消費財・サービス | 0.62% |
- エネルギー
- ヘルスケア
- 生活必需品
ディフェンシブなセクターの代表格である「ヘルスケア」、「生活必需品」が上位に組み入れされている点はHDVの魅力です。
景気動向に大きく左右されず、株価の上昇が期待されます。
「HDV」配当額、配当利回り
HDV配合額推移は以下の通りです。
配当落ち日 | 1株当たりの配当金 |
---|---|
2022年3月24日 | 0.769760米ドル |
2022年6月9日 | 0.569695米ドル |
2022年9月26日 | 1.231175米ドル |
2022年12月13日 | 1.144988米ドル |
2023年3月23日 | 1.042139米ドル |
2023年6月7日 | 0.796450米ドル |
2023年9月26日 | 1.078057米ドル |
2023年9月の配当金は、前年と比較して減配となっています。
直近の配当利回りベースでは「4.09%」と魅力的な配当利回りと言えるでしょう。
「HDV」株価推移
2023年10月7日時点1株当たり「96.47ドル」です。

株価水準はコロナショック前に戻っています。
コロナショックでは、96ドル→65ドルと短期間で32%下落している点は理解しておきましょう。
外出自粛影響で、エネルギー価格が大きく下落しHDVの株価にも影響を与えた
「HDV」配当金生活はいくら必要?

HDVの配当金は減配もあるため、長期で見る場合「配当利回り年3.5%」でシミュレーションするのが良いでしょう。
月配当額 | 税引き前 | 税引き後 (28.3%) |
10万円 | 3,429万円 | 4,303万円 |
15万円 | 5,143万円 | 7,172万円 |
20万円 | 6,858万円 | 9,562万円 |
25万円 | 8,572万円 | 11,952万円 |
30万円 | 10,286万円 | 14,343万円 |
月当たりの生活費が25万円の方であれば、税抜き前でも8,500万円を超える投資額が必要
このため、HDVだけで配当金生活を狙うのは簡単ではないと言えます。
また、投資銘柄数は約75社と限定的である点も課題です。
このため、HDVへの投資比率を上げる場合以下デメリットを正しく理解しておきましょう。
「HDVはおすすめしない」と言われる7つのデメリット

投資家から高い人気を誇る高配当ETF「HDV」にもデメリットが存在します。
このため、投資をする前に注意点をチェックしておきましょう。
①手数料は最安ではない
HDVの経費率は、「年0.08%」と格安です。
但し、人気ETFと比較すると最安ではない点は理解をしておきましょう。
HDV | 0.08%/年 |
---|---|
VOO(S&P500) | 0.03%/年 |
VTI(全米株式) | 0.03%/年 |
VYM(高配当ETF) | 0.06%/年 |
VT(全世界株式) | 0.07%/年 |
SPYD(高配当ETF) | 0.07%/年 |
但し、100万円投資をしても年間100~500円の違いであるため、あまり意識する必要はない
②分散性は限定的
HDVの組み入れ銘柄数は約75社と限定的です。
HDV | 約75社 |
---|---|
VOO(S&P500) | 約500社 |
VTI(全米株式) | 約4,000社 |
VYM(高配当ETF) | 約460社 |
VT(全世界株式) | 約8,000社 |
SPYD(高配当ETF) | 約80社 |
全米株式、全世界株式はもちろん他の高配当ETFと比較しても、少ない組み入れ銘柄数と言える
このため、ETFとしての分散性は限定的であり特定の企業業績には注意が必要と言えるでしょう。
③成熟企業が多い
HDVの組み入れ銘柄には、GAFAMを中心としたハイテク銘柄の組み入れがありません。
ハイテク銘柄は配当が無配また低い配当利回りであるため、高配当ETFへ組み入れされない
売却益ではなくインカムゲイン(配当益)を狙うETFとして投資をしよう
高配当を出す企業は既に成熟企業及び市場であることが多いため、将来的な株価上昇は限定的である点は課題と言えるでしょう。
④エネルギーセクターに注意
HDVのコアセクターである「エネルギー」には注意が必要です。
「エクソンモービル」、「シェブロン」など、スーパーメジャーと呼ばれる世界的石油メーカーへの投資比率が高い傾向あります。
石油は景気敏感株であり、市場動向の影響を受ける点は課題と言えるでしょう。
⑤設定から歴史が浅い
HDVは2011年から設定された高配当ETFです。
リーマンショックを経験しておらず、大きな暴落が来た際の値動きが確認できないのは課題と言えます。
- HDV:2011年3月31日
- VYM:2006年11月16日
- SPYD:2015年10月22日
高配当ETFではVYMのみリーマンショックを経験。
⑥米国課税が掛かる
HDVから配当金を得る場合、「米国課税」が必要です。
米国課税 | 日本課税 | |
米国株 | 10% | 20.315% |
日本株 | 0% | 20.315% |
米国高配当株の配当金は約30%の税金が掛かります。
結果、配当金受け取り額は「約72%」に減少
⑦為替の影響を受ける
HDVへの投資は「為替の影響」を軽視することができません。
- 1ドル:100円
- 1ドル:80円
では、同じ株価であっても損益は約20%異なります。
以下米ドル/円10年チャート

- 2012年:75.570円
- 2022年:151.942円
過去10年で見ても高いボラティリティとなっています。
株安+円高が発生した場合、大きく評価額が減少するため注意をしておきましょう、
米国株へ投資をする場合、株価だけでなくドル円相場もチェックしよう
高配当ETF「SPYD」と同時購入を検討しよう

HDVは格安な手数料で分散投資ができる金融商品です。
但し、約75社と分散性が限定的であり特定のセクターへの比率が高い点が課題と言えます。
そこでおすすめなのが、高配当ETF「SPYD」との同時購入です。
セクター | HDV | SPYD |
エネルギー | 22.60% | 6.98% |
ヘルスケア | 19.93% | 8.18% |
生活必需品 | 14.40% | 6.13% |
公益事業 | 9.68% | 14.70% |
情報技術 | 9.36% | 3.08% |
通信 | 8.76% | 2.78% |
金融 | 8.51% | 21.78% |
資本財・サービス | 3.57% | 1.21% |
素材 | 2.34% | 8.31% |
一般消費財・サービス | 0.62% | 6.13% |
不動産 | ー | 20.72% |
赤字を中心に、HDVとSPYDではコアセクターが異なる
お互いの弱いセクターを保管してくれるため、同時購入もおすすめと言えるでしょう。
当然ながらSPYDでもデメリットが存在するため、投資をする前に正しく特徴を抑えておくのが大切です。

「HDV」気になる3つの質問

HDVへの投資を検討している方の気になる質問を集めました。
①HDV配当利回りをチェックする方法は?
HDVの配当利回りをチェックする場合、まずはブラックロック公式をチェックするのがおすすめです。
公式サイト:iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF
その他方法としては以下の通り
- 証券会社アプリを利用
- Yahoo finance
- Investing.com
- Bloomberg(ブルームバーグ)
サイトによって配当利回りの計算方法が異なるため注意しておきましょう。

②HDVの分析におすすめアプリは?
米国株には魅力があるも、英語というハードルがあり手軽に財務分析ができないという悩みを持つ方が少なくありません。
当サイトでは、財務分析アプリ「moomoo」の活用を推奨
「moomoo」は、2022年10月27日誕生した新しい次世代型金融情報アプリです。
日本での知名度は高くありませんが、世界では2,000万人以上のユーザーがmoomooのアプリを利用。
革新的なサービスとして世界の投資家に認められているツールです。
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HDVの長期チャートをチェック。

セクター比率も円グラフで表示。

最新の企業別保有比率もアプリで確認可能。

関連ニュースも手軽にチェックすることができる。

その他、「銘柄スクリーニング」、「ヒートマップ」など株のトータル管理に最適です。
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③HDVはどこで購入するのがおすすめか?
米国株の購入する場合、「取引手数料」、「為替手数料」を確認する必要があります。
取引手数料 | 約定代金×0.45%(税抜) |
---|---|
上限取引手数料 | 20ドル(税抜) |
最低取引手数料 | 0ドル |
日本円での株式購入時 | 25銭/米ドル |
---|---|
日本円での株式売却時 | 25銭/米ドル |
※往復で50銭の為替手数料が必要
2024年新NISA導入と合わせて、取引手数料無料を「SBI証券」、「松井証券」が発表しています。
このため、新NISAをメインに利用する方は抑えておきたい証券会社と言えるでしょう。
また、2023年に入り新興証券が格安手数料サービスを提供。
関連記事を参考にHDV購入先を検討してみましょう。

「HDV」を活用した配当金生活はいくら必要?【まとめ】
「HDVを活用した配当金生活」をテーマにいくら必要なのかを解説しました。
月配当額 | 税引き前 | 税引き後 (28.3%) |
10万円 | 3,429万円 | 4,303万円 |
15万円 | 5,143万円 | 7,172万円 |
20万円 | 6,858万円 | 9,562万円 |
25万円 | 8,572万円 | 11,952万円 |
30万円 | 10,286万円 | 14,343万円 |
月々の生活費によって異なるも、6,000万円以上の投資額が求められるため簡単ではないと言えます。
また、HDVにはデメリットがあるため集中投資には注意しましょう。
特に、組み入れ数が約75社と限定的であり、景気敏感株であるエネルギーセクター比率が高い点は課題です。
このため、他の高配当ETFと同時購入も検討してみましょう。
以上、HDV配当金生活いくら必要かまとめでした。
【関連記事】高配当ETF「VYM」の特徴を解説しています。

【関連記事】VYMで月5万円の配当金に必要額を検証しています。

【関連記事】米国株投資の勉強方法を解説しています。
