本記事では、「インデックス投資」をテーマに毎月10万円積立投資をした場合の期待リターンを解説します。
積立NISAを中心にインデックス投資を始める方が増加。
資金に余裕がある方であれば、特定口座を利用して毎月10万円の積立を検討している方も少なくありません。
毎月10万円を投資することができれば、「老後2,000万円問題」の心配も不要。
但し、「目標資産まで何年かかるのか?」、「期待リターン別の違いは?」など悩みを持つ方も存在。
そこで、本記事では毎月10万円積立をテーマに詳しい資産シミュレーションを解説します。
「個人投資家」毎月の投資信託購入額
具体的なシミュレーションを見る前に、個人投資家の積立額をチェックしてみましょう。
マネックス証券「投資信託に関する調査結果」より引用

10人中3人が毎月5万円以上と考えると、筆者としては「想像以上に多い」という感想です。
日本の平均年収433万円(2020年)から考えると、毎月5万円の捻出は簡単なことではありません。
一方、2人に1人は投資額3万円以下。
非課税枠の範囲で投資を継続している方が多数います。
このため、毎月10万円積立投資ができる家庭はキャッシュリッチな層と言えるでしょう。
続いて、具体的なシミュレーションを解説します。
「10万積立」投資期間×利回り別シミュレーション表
毎月10万円投資信託を積立するシミュレーションは以下の通りです。
※スマホの方はスライドできます
利回り /投資期間 |
5年 | 10年 | 20年 | 30年 |
元本 | 600万円 | 1,200万円 | 2,400万円 | 3,600万円 |
2% | 630万円 | 1,327万円 | 2,948万円 | 4,927万円 |
3% | 646万円 | 1,397万円 | 3,283万円 | 5,827万円 |
4% | 663万円 | 1,472万円 | 3,667万円 | 6,940万円 |
5% | 680万円 | 1,553万円 | 4,110万円 | 8,322万円 |
6% | 698万円 | 1,639万円 | 4,620万円 | 10,045万円 |
老後2,000万円問題の解決であれば、20年間の積立で達成が可能。
資産1億円を目指す場合、「30年積立+利回り6%」が求められます。
リスクとリターンは相関関係にあるため、自身のリスク許容度に合った投資をするようにしましょう。
「10万円積立」投資期間別シミュレーション

続いて、投資期間別利回りシミュレーションを深掘りしていきます。
①10年積立シミュレーション

- リターン3%:1,397万円
- リターン4%:1,472万円
- リターン5%:1,553万円
10万円を10年間積立した場合、投資元本は「1,200万円」
子供の教育資金の確保としては十分な金額です。
一方、老後2,000万円問題の解決としては課題が残ります。
期待リターンとして物足りないと感じた場合、投資期間の延長または投資額の増加を検討してみましょう。
②20年積立シミュレーション

- リターン3%:3,283万円
- リターン4%:3,668万円
- リターン5%:4,110万円
10万円を20年間積立した場合、投資元本は「2,400万円」
複利効果により1,000万円を超えるリターンが期待されます。
10万円積立を20年間継続できる方であれば、老後の不安はないと言えるでしょう。
野村総合研究所より引用
③30年積立シミュレーション

- リターン3%:5,827万円
- リターン4%:6,940万円
- リターン5%:8,323万円
10万円を30年間積立した場合、投資元本は「3,600万円」
年利5%のリターンで運用することができれば、投資元本の2倍を目指すことができます。
3,600万円→8,323万円
30年間と長期になると、複利の影響でリターン別に大きな違いが存在。
このため、自身のリスク許容度に応じて株式と債券比率を見直しましょう。

このため、早期から10万円を積立することできれば老後資金の確保に不安はありません。
インデックス投資を行う際3つの注意点

毎月10万円の継続投資ができれば将来の資産確保は安泰と言えるでしょう。
但し、注意点もあるため以下で詳しく解説します。
①継続は想像以上に難しい
インデックス投資を長期に渡り継続することは簡単ではありません。
- 業績不振でボーナスがカット
- 病気やケガで入院費用が必要
- 家族に不幸があった
など、資金的に継続が不可能になる場合も存在。
また、株式市場は定期的に大きな暴落が発生します。

大きな暴落を見て「まだまだ株式は下落するのでは・・・」と最悪なタイミングで売却をしてしまう方も少なくありません。
このため、始めることは簡単な投資信託であるも、継続するのは簡単ではないという点は事前に理解しておきましょう。
②ドルコスト平均法が理想
投資家の中には買付タイミングを計る投資家が存在。
株価上昇:投資額を減少
株価下落:投資額を増加
結論、市場の未来は誰にも分からず意味がある行為とは言えません。
理想は「ドルコスト平均法」での定額購入が理想です。

結果、相場によっては合計株数が増加し平均購入価格を抑えることが可能。
積立を継続するためにも、買付タイミングを計らずドルコスト平均法で買付を実施しましょう。
(参考)「ドルコスト平均法は意味がない」と言われるデメリット5選
③手数料は要チェック
長期投資において手数料は極めて重要な要素です。
投資信託における手数料は以下3点
- 信託報酬
- 購入手数料
- 信託財産留保額
現在も投資信託においては「ぼったくり投資信託」が存在するため、商品の選定には注意が必要です。
当サイトでは高手数料商品として以下を非推奨としています。
- 「毎月分配型」投資信託
- ロボアドバイザー
- ファンドラップ
- テーマ型投資信託
- ファンドオブファンズ
将来の期待リターンに大きな影響を与えるため、以下記事も合わせてチェックしておきましょう。

インデックス投資を継続する3つの方法

インデックス投資を継続させる方法は以下の通りです。
①貯金と投資の比率をチェック
積立を継続するには「余裕資金」での投資が必要不可欠。
このため、無理のない投資を行うためにも、貯金と投資比率をルール化しておきましょう。
貯金と投資の比率の決め方は以下の通り
- 年齢
- 家庭環境
- 職業
相場急落時に狼狽売りをしないよう、自身の環境に合わせて投資比率を決定することが大切です。
貯金と投資のバランスについては以下記事で詳しく解説しています。

②ライフプランシミュレーションを実施
将来のライフプランを早期からチェックしておきましょう。
「老後資金が不足する」と感じたら、投資金額の増加を検討する必要があります。
ライフプランシミュレーションはアプリを活用することで手軽に確認が可能です。
アプリ内「そなえる」からライフプランシミュレーションが可能。

「車の買い替え頻度」、「子供の結婚式」まで細かくシミュレーション入力ができます。
年齢別のキャッシュフローとグラフもあり。

おかねのコンパスは「医療費の試算」など、細かなライフプランシミュレーションに対応しています。

無料アプリを活用して自身の資産シミュレーションを行ってみましょう。
他にもライフプランシミュレーションに最適なアプリを紹介しています。

③固定費を削減して投資資金の確保
余裕資金で投資をするには、大きく分けて「収入を上げる」、「支出を抑える」の2種類。
その中でも、固定費削減による支出抑制は大きな効果があります。
固定費の削減の一例は以下の通り
- 格安スマホの活用
- 不要な保険の解約
- インターネット回線の変更
など、方法は様々。
固定費削減は先送りにしてしまいがちですが、長期でみると大きな効果が期待できます。
まずは、家計簿アプリを活用して「毎月何にいくら使用しているのか?」を把握するところから始めてみましょう。

「株管理アプリ」を活用して資産推移をチェックしよう
実際にインデックス投資を始めたら、株管理アプリを活用し資産チェックを行いましょう。
証券会社が用意するアプリも優秀ですが、「複数の証券口座をチェックできない」、「分析機能がない」など課題が残ります。
カビュウは日本株だけでなく米国株、投資信託にも対応。
保有株をヒートマップで表示する機能があり直感的にパフォーマンスをチェックすることができます。
タイルの大きさは「運用総額」、色は「前日比の騰落率」を表示。

また、複数の保有資産のチェックにも最適です。


無料版も用意されているため、カビュウを活用して日々のパフォーマンスをチェックしてみてはいかがでしょう。
ダウンロードは以下からどうぞ
カビュウについては以下記事で詳しく解説しています。

インデックス投資に毎月10万円積立する効果【まとめ】
本記事では、「インデックス投資」をテーマに毎月10万円積立投資をした場合の期待リターンを解説しました。
毎月10万円積立の期待リターンは以下の通り
※スマホの方はスライドできます
利回り /投資期間 |
5年 | 10年 | 20年 | 30年 |
元本 | 600万円 | 1,200万円 | 2,400万円 | 3,600万円 |
2% | 630万円 | 1,327万円 | 2,948万円 | 4,927万円 |
3% | 646万円 | 1,397万円 | 3,283万円 | 5,827万円 |
4% | 663万円 | 1,472万円 | 3,667万円 | 6,940万円 |
5% | 680万円 | 1,553万円 | 4,110万円 | 8,322万円 |
6% | 698万円 | 1,639万円 | 4,620万円 | 10,045万円 |
毎月10万円積立を継続することができれば、老後資金の確保は問題ありません。
特に20年以上の継続ができれば、「老後2,000万円問題」も解決。
但し、長期に渡り積立投資をするのは簡単なことではありません。
このため、「余裕資金で行う」、「固定費の削減」なども忘れずに行うようにしましょう。
以上、毎月10万円投資シミュレーションまとめでした。
【関連記事】資産配分に最適なシミュレーションツールを解説しています。

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【関連記事】理想的なアセットアロケーションについて解説しています。
